「コンビニ百里の道をゆく」は、ローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。
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大相撲の九州場所が始まりましたね。楽しみにされている方も多いと思います。私もその一人です。
初めて大相撲を見に行ったのは、小学生のとき。お相撲さんが支度部屋から出てくる花道のほんの近くで見ていたのですが、第一印象はもうとにかく「でかい!」。大きいとは予想していたのですが、これほどとは驚きました。迫力に圧倒され、言葉も出なかったのを覚えています。
もう一つ印象に残っているのが、お相撲さん同士が立ち合いで頭からぶつかるときの音です。ごつっ!という腹に響くような。いやちょっとやめてくれと言いたくなるくらいの(笑)、ド迫力でした。
かつ、その大きな体格からは信じられないほどの俊敏さ。きっと運動神経も抜群なんだろうな、お相撲さんってすごい人たちなんだなというのが、直接お相撲さんを体感したときの思い出です。
それからもう何十年もたちますが、私にとって大相撲は「変わらない存在」としてあり続けています。
あるときからは「我こそは」という力士がモンゴルをはじめ世界中から挑戦してくるまさにダイバーシティーが広がり、最近は日本出身力士の巻き返しの兆しも見えてきたり。その時代その時代で変化はありつつも、場所中、テレビのチャンネルを合わせれば、そこには何とも言えない「安心感」があるんですよね。国技と言われる所以なのかなとも思います。
注目はやはり、秋場所で優勝した新大関・大の里関です。やる気に満ち溢れ、「これからグッと強くなるぞ」という雰囲気が充満しているような、そんな力士が久々に出てきたなと感じています。
今場所も優勝して、「大銀杏が間に合わない初の横綱誕生!」ということになるんじゃないか。そんな期待さえしてしまう夢のある力士だなと、応援しながら見ています。
※AERA 2024年11月18日号