「これほどまでにメッセージ性の強い曲が支持されているということは、THE ALFEEとファンの絆の強さでしょう。ランキングは、こういう曲を通じてファンとつながっているという最大の証明でしょうね」
8月17日、18日に横浜市で開催されたコンサート「50年目の夏祭り」でも、こうしたメッセージ性の強い曲が多かったという。
そして、ランキングに入った「メッセージ性の強い曲」を見ると、その多くがシングル盤だという。
メッセージ性が強いということは、クセが強く、聴く人を選ぶ曲とも言える。そのため、一般的にはヒットを求めてシングル盤として世に出すより、アルバムに納められた曲であることが多い。しかし、THE ALFEEはそうではない。
「シングル盤でこんなメッセージを歌っていたのかと、改めて発見しました」
と田家氏は驚く。
コンサートで高見沢は空を飛ぶ
THE ALFEEが、50周年を迎えることができたのはなぜか。
田家氏は、THE ALFEEが「現役」であり続けてきたことが、ファンを引き付けてきたと見る。
メッセージを込めた曲でファンと深めた絆を、さらに強固なものにするのがコンサートだ。THE ALFEEのツアー記録は、通算3000本まで、あと81本。「日本記録」を更新し続けている。
田家氏は、今回のコンサート「50年目の夏祭り」にも参加。THE ALFEEの魅力はコンサートにこそあると話す。
「ステージではモノマネもあるし、コントもあるし、盆踊りを舞い、高見沢俊彦さんは今回のKアリーナでは空を飛んでいましたからね。お客さんを楽しませることが全部わかってやっている。ロックとエンターテインメントがこれほどまでに結合しているバンドはない」
そして、THE ALFEEが「新曲」を出し続けてきたのも、理由の一つだ。
今回のコンサートでも最新曲『KO.DA.MA.』『ロマンスが舞い降りて来た夜』が披露されたといい、田家氏は、
「ファンは、懐メロを聴きたいと思って来ているわけではない。今の彼らを見に来ている。同じ時代を生き、どんな風に年を取っていくのかを、自分の人生の物差しのように見つめている」
とファンの心理を指摘する。
「50年やっているバンドで、『新曲を楽しみにしている』というファンがいるすごさ。お客さんにこび過ぎてもいないのは、THE ALFEEの3人が楽しんでいるから。自分たちが楽しんでいることが。50年続く彼らの大きな強みなんでしょうね」
10月からは秋のツアーが始まる。50周年の記念の年、THE ALFEEはファンと共に年末まで走り続ける。
(AERA dot.編集部・太田裕子)