■「市民感覚からかけ離れた党の体質に一石投じた」
大野さんは選挙期間中、「『育ち』を支える」をスローガンにすえ、「子どもの食の問題、児童虐待の問題、待機児童の問題。この社会の未来を担う子どもたちのために、私にはまだまだやるべき仕事があります」と必死の訴えを続けた。8位当選というスリリングな結果を、「本当に厳しい選挙でしたが、共に戦ってくれた方々に心から感謝します」と振り返る。一方、前回選挙から大野さんを支えてきた支援者の一人は「総支部の連中の卑劣なやり方を絶対に許すわけにはいかないという一心だった。彼女の当選は、市民感覚からかけ離れている党の体質に、一石を投じられたと思う」と語る。
立憲民主党は次の「政権」での少子化対策に対する基本的な考え方「子ども・子育てビジョン」をまとめるなど、子育て世代に対する党の姿勢を熱心にアピールしている。だがまずは党内の子育て世代に対する党員自体の考え方を再点検し、「足元」の意識改革から始めることの方が、現実的ではなかろうか。
(フリーライター・浜田奈美)
※AERAオンライン限定記事