見開き1ページで1日のことをかくのが主流だという=24年9月、小山歩撮影

「書いて頭を整理する」“ハイパー文武両道”を志す若者が増加

 こうした手帳の使い方の変化について、働き方評論家で千葉商科大准教授の常見陽平氏はこう分析する。

「スマホでスケジュールを管理すれば、必要な時に通知が来るように設定できるので、手書きの手帳でスケジュールを管理する若手の社会人は減っていました。しかし、近年の学生や、社会人は就活以外でも自己分析をするようになったり、転職が当たり前の時代になったりして、以前に比べて自分と向き合う時間が多い印象です。コロナ禍になり、外に出られなくなったことで、その傾向はより加速しました。その中でも特に、コロナ禍で大学生だった、今の社会人1~3年目の若手は、未来の予定を立てるより、現在や過去の自分に向き合う機会がとても多かったはずです。そうした経緯もあり、過去の自分を振り返る手段として、手帳を使う若者が増えたのだと思います」

 さらに、常見氏は若手社会人が余暇時間を重視していることも要因の一つではないかと話す。

「今の若手は、“ハイパー文武両道”を志している人が多い。仕事はもちろんですが、ワークライフバランスを重視し、余暇時間も全力で楽しみたいという傾向にあります。一日の中で『絶対に守りたい時間』をつくっていて、その時間を“推し活”などの趣味にあてる人もいれば、勉強や筋トレなどに励む人もいます。書くことによって頭の中を整理して、仕事とプライベートの区別をつけ、趣味でも高みを目指している人が多いのかもしれません」。

 Z世代の端くれである記者も2025年からは手帳を買って「ライフログ生活」を楽しんでみたい。

(AERA dot.編集部・小山歩)

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