金城珠代
多分、私が40代になって自信を無くしちゃったのは、自分の理想の母親像と現実の自分が真逆だってこともあると思う。本当は24時間家にいて、いつでもキッチンから「おかえりー」って息子を迎えたい。子どもが「お腹すいた」って言えばサッと美味しいものを出したい。でも現実はね、「お腹すいた」って言われて焦ってワーワーしちゃって。「いいよママ、チョコパンで」って、パンにチョコを塗ってあげるだけ。忙しくてもなるべく自分で子育てをしたいと思ってやってきたけど、日本で仕事をするために数週間も家を空けることもあるから、全然違うじゃん……って、いつもそんなことを考えています。この生活をうらやましいって言ってもらうこともあるんだけど、私自身は「どうして私はこんなに残念なことになっちゃってるんだろう」って思ってしまって、何とかスイッチを入れ替えています。
でも、息子が6歳の男の子に成長していく姿を見ると、私の理想像だけがすべてじゃないなって思うようになってきました。私はこうだし、息子もパパも理解してくれているし、母親としても次のステージに行かないとなと。認め合えたり許し合えたりすることも含めて家族だと思うから、私も自信をなくしすぎず家族がハッピーでいられるところを見つけていきたいですね。
――これからやりたいことは？
もともと続けていくのが得意じゃないタイプなんだけど、いま家計簿をつけているの。つけてみると頭が整理されていくんですね。今すごくそういう気分。
なので、新しいこととか華やかなことだけじゃなくて、良くも悪くも変わった自分の今の状況をもう一回整理をして、ベースをきちんとする。そのために最近、ブログも再開しました。もともと自分の言葉で伝えるのが好きだったから原点に戻って、子育てのことも含めて、言葉にしてみたい。そして1、2年でまた新しいステージに一歩踏み出したいですね。
（聞き手／AERA dot.金城珠代）
ラリー遠田
ジェーン・スー
北原みのり
