その幹部のうち、片山副知事は7月末で自ら辞職、総務部長は体調不良で7月30日から病欠中、理事は本人の希望によって8月1日付で総務部付の部長級に降格した。3人とも自分から、斎藤知事を支える立場から離れてしまった。残る産業労働部長は、県議会で県警から取り調べを受けたと認めている。
斎藤知事の取り巻きは消えてしまった。ある県庁幹部によると、
「知事室を訪ねるのは、残った服部洋平副知事と記者会見の打ち合わせなどで用事がある幹部職員くらい。新たに訪れているのは、斎藤知事がポケットマネーで依頼している弁護士です。斎藤知事は何かあると弁護士に相談してアドバイスを求めている。記者会見で辞職を否定し、『県政を前に進める』と壊れたテープレコーダーのように知事が言っているのも、弁護士からの指導だと聞いた」
という。この県庁幹部は、こうも話す。
「内部告発があるまで、副知事ら幹部がずっと陣取って斎藤知事を操り、側近たちによる県政だったのが嘘のようです」
県職員3500人超がアンケートにすぐ回答
百条委員会では、告発内容に関して調べるため、県の全職員約9700人を対象に、
〈元県民局長の文書に記載されている7項目に関するアンケート調査〉
を7月31日から実施している。
斎藤知事のパワハラや知事の業者などからの贈答品受け取りなどについて知っているかどうか、その具体的な内容などを尋ねるもの。2日の百条委員会では、1日までに3538人から回答があったことが報告された。
当初、県は百条委員会で県職員が証言する場合や、アンケートに勤務時間中に回答する場合は、
「守秘義務があるため、事前に免除申請を出すこと」
などと、「口止め工作」ともいえる方針を示していた。
これに対して百条委員会が「これでは十分な調査ができない。調査妨害ではないか」と申し入れたところ、
「職員がアンケートを勤務時間中に書くときは、職務に専念する義務を免除すると県が方針を変えました。当然のことです」(竹内県議)