元朝日新聞記者 稲垣えみ子
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 元朝日新聞記者でアフロヘアーがトレードマークの稲垣えみ子さんが「AERA」で連載する「アフロ画報」をお届けします。50歳を過ぎ、思い切って早期退職。新たな生活へと飛び出した日々に起こる出来事から、人とのふれあい、思い出などをつづります。

【写真】燗酒仲間が作ってくれたオリジナルTシャツ

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 会社を辞めてから何が大きく変わったって、友達のバリエーションである。年齢も性別も職業も国籍もバラッバラ。年齢に関して言うと、そもそも友達になる時点で年齢を気にしていないので逆に後から「なーんだトシ一緒!」と気づいた時の感慨も深く、その後やたらと「うちら同級生だし」と言うことになる。

 で、その「うちら」は今年還暦を迎えるわけです。フェイスブックの写真の赤が気になる今日この頃。

 先日も、燗酒を愛する仲間である飲食店主が自らの還暦を祝って寿司を握る会を開きたいからと「同級生」3人にヘルプの要請がかかり、揃いの真っ赤なダサいTシャツに身を包んだ、明らかに頭も体もキレが悪くなった合計240歳の「チーム燗暦」が、皿洗いやら燗つけやら調理手伝いやら配膳やら客あしらいやら、息つく暇もない過酷な労働をヨロヨロと助け合いながら何とかかんとかこなすという珍事があった。

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稲垣えみ子

稲垣えみ子

稲垣えみ子(いながき・えみこ)/1965年生まれ。元朝日新聞記者。超節電生活。近著2冊『アフロえみ子の四季の食卓』(マガジンハウス)、『人生はどこでもドア リヨンの14日間』(東洋経済新報社)を刊行

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