夢だった東京ドームで観客に応える5人[写真:(P)&(C)BIGHIT MUSIC]

 切なさの余韻はそのままに、「誓い(CHIKAI)」のタイトル曲「ひとつの誓い(We’ll Never Change)」を歌唱。4人が紐を使ったパフォーマンスをするすぐ近くで、BEOMGYUが美声を聞かせると、MOAがコールで5人を称えた。今回のツアータイトルは「ACT:PROMISE」。僕たちとあなたの永遠を誓う「ひとつの誓い」はTXTとMOAの「約束」のように聞こえた。

 アンコールは感動的だった。BEOMGYUがいるセンターステージを見守るように、そこからのびた4本の花道に4人が立つ。エレクトリックなバラード「Magic Island」を歌い切り、4人はBEOMGYUのいるセンターステージに集まった。YEONJUNの「MOAの愛に溢れたこの場所を絶対に忘れないと約束します」という言葉を皮切りに、MOAとの永遠の結びつきを約束する5人。客席には韓国語で「ようやく会えたね。約束の場所で」と書かれたスローガンが広がった。

 BEOMGYUが「とても綺麗ですね。感動です。僕たちも準備しました!」と言い、今度はTXTが「ここでMOAと永遠の約束をするよ。MOAと僕たち、永遠に一緒にいようね!」と書かれたスローガンを掲げた。

ドームに響いた声

 BEOMGYUは「ダンスができないことがもどかしい」と悔しさを滲ませつつも、「僕がいないステージで5人以上のエネルギーを作りだしてくれたメンバーに感謝しています。次に来るときは椅子が必要じゃない少年として戻ってきます」と言って笑わせた。HUENINGKAIは「練習生の時から立ちたいと思っていたステージに一緒に立ってくれたBEOMGYUさんに改めてありがとうと伝えたい」と返した。SOOBINは10年以上夢見てきたステージに立てたことへの感謝を語る途中で感極まり、涙が零れるのを見せまいと笑顔で上を向いた。

 4人はSOOBINに近づき、肩を叩いて労った。最年少であるHUENINGKAIが「SOOBINさんがずっと東京ドームに立ちたいと僕たちに言っていました」とフォロー。SOOBINは一層感極まった様子だった。

 次に披露されたのは「Miracle」。5人の絆が込められた曲だ。

 BEOMGYUが泣いて歌えなくなってしまうと、4本の花道に分かれていた4人がセンターステージにいるBEOMGYUに駆け寄り、抱きしめた。5人はぎゅっと固まって「Miracle」を歌い続けた。

「僕たちが『今日も明日も』と言ったら『ずっと一緒にいようね!』と言ってください」

 YEONJUNがそう伝えると、5人と観客たちの声がドームに響いた。

「ずっと一緒にいようね!」

(ライター・小松香里)

AERA 2024年7月29日号