愛子さまの映像には、童謡の「大きな栗の木の下で」に合わせて踊る姿もある。愛子さまの「お気に入り」としてマスコミが紹介した絵本のなかには、童謡や、有名な歌の歌詞が書かれた歌絵本もあった。

 本を開くと音声が流れる歌絵本も多く出版されている。磯崎さんは、こうした本も積極的に子育てに活用してほしいと話す。

「ママやパパの声で赤ちゃんへ声かけをするのは、情緒の安定に良いといわれます。しかし、言葉を話せない赤ちゃんと、声かけだけでコミュニケーションを図るのは、実は難しい作業。なので、歌を通じた触れ合いはお勧めです。子守歌を歌いながら、赤ちゃんや子どもを抱っこして、身体をトントンしてあげてください。赤ちゃんも安心して聞いてくれますし、親子で穏やかな時間を過ごせます」
 

 また、「みんなでね〇〇したの」という言葉のリズムが心地よい『みんなでね』は、縦・横ともに14センチという手のひらサイズであることから、お出かけのお供に重宝される一冊だ。

 サイズが小さいのは、親だけでなく赤ちゃんのためでもあると、磯崎さんは話す。

「赤ちゃんにとっては絵本を1ページめくるのも大変な作業です。この14センチの絵本は、赤ちゃんが自分で持ち上げ、めくることができる。そうした工夫が詰まっている本なのです」
 

 愛子さまが1歳の誕生日に公開された映像には、英語の布絵本もあった。おもちゃと絵本の中間にあたるのが布絵本だ。

 まだ絵本を本として認識できない乳幼児でも、布のページや中に詰められた綿の手触りを楽しんだり、口に入れてみたり、叩いて遊んだりすることで、本に馴染んでいくのだという。
 

愛子さまはご両親と一緒に日本地図を眺めて

 磯崎さんは、年齢別の絵本の選び方について、こうアドバイスする。

 1~2歳では、「指差し」や「繰り返し」を楽しむといった、この時期にしかできない反応があり、それを家族で楽しんでほしいという。

 3歳は絵本のゴールデンエイジと言われ、字が読めなくとも絵本の世界に入り込み、内容を楽しむことができる時期。絵本を読んで感じたことを、自分が実際に経験した出来事や感情とつなげることができるようになる。

 5~6歳は、さらに複雑な内容も理解できるようになる。友だちや家族とのケンカといった体験が増え、精神面でも大きく成長する。絵本を読むことで、抱えきれない感情を共感や納得といった経験につなげていくのだという。

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絵本を通じて、子どもの成長を親が楽しむ