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 今年の夏は猛暑の見込みだ。暑くなると、株式市場で注目されるのが猛暑関連株だ。7月26日に始まるパリ五輪の関連銘柄への期待も高い。いずれも株価にはすでに「織り込み済み」との見方は多いが、それでもまだ狙えそうな株はないか。専門家に聞いた。

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 気象庁の3カ月予報によると、7~9月は全国的に平年より気温が高くなる見通しだ。太平洋側から日本上空へ伸びてくる太平洋高気圧と、中国大陸側のチベット高気圧の張り出しが強く、日本付近は暖かい空気に覆われやすいという。

 夏から秋にかけて、「ラニーニャ現象」が発生する可能性が高いことも、厳しい暑さになる恐れを強めている。夏場に発生すると日本付近は暑い夏になりやすい。

 株式市場でも例年、猛暑関連株は話題になる。投資顧問会社エフピーアイ代表の藤ノ井俊樹さんは、「夏場に売り上げを伸ばすビールやアイスといった食品関連のほか、紫外線(UV)対策や空調・冷房機器、殺虫剤・防虫剤関連など切り口は豊富」と話す。こうした銘柄は「サマーストック」などと呼ばれて注目される。

ただし、相場を実況中継するインターネットTV、ストックボイス副社長の岩本秀雄さんは次のように言う。

「2月には気象庁が猛暑になる見通しを示していました。このため、今の時点ではすでに株価に織り込まれている可能性は高い。本当なら、もっと前から仕込んでおき、市場の注目が高まった場面で売りたいところです」

 株式市場には「麦わら帽子は冬に買え」という言葉がある。猛暑関連株など季節によって売り上げや業績が変わる「シーズンストック」(季節株)や、五輪やサッカーW杯といった大きなイベントに業績が左右される銘柄を売買するうえでの原則を示すものだ。

 投資家からあまり注目されていないタイミングで買えば安く手に入りやすいし、注目が高まり株価が上がった段階で売れば利益を得やすい。

 とはいえ、すべての場合でそう言い切れるとは限らない。前出の岩本さんは続ける。

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池田正史

池田正史

主に身のまわりのお金の問題について取材しています。普段暮らしていてつい見過ごしがちな問題を見つけられるように勉強中です。その地方特有の経済や産業にも関心があります。1975年、茨城県生まれ。慶応大学卒。信託銀行退職後、環境や途上国支援の業界紙、週刊エコノミスト編集部、月刊ニュースがわかる編集室、週刊朝日編集部などを経て現職。

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