伊勢神宮の外宮を参拝する愛子さま。雨の日の祭典に欠かせない和傘は貴重な工芸品だ。白いロングドレスの参拝服が和傘に映える=3月26日、三重県伊勢市、朝日新聞社

牛乳やバター、洋食もOK

 伊勢神宮への参拝において、特に境内での食事では、口にしてはいけない食材がいくつかあるという。

 どんなものが食べられないのか。皇室と神宮の食物に詳しい研究者によると、牛や豚の肉は避けられ、食材に用いることはないが、鶏肉は使うことができる。

 神様にお供えする「神饌」(しんせん)に供される食材であれば、口にしても構わない。メインになるのは魚や貝類で、避けなければならない食材を除けば、メニューは和食でも洋食でも問題はない。

 牛乳やバターは口にしてもよい。意外な印象を受けるが、朝食にパンとバター、牛乳を召し上がって参拝に臨む皇族方も珍しくないようだ。

 秋篠宮家の長男、悠仁さまは22年、伊勢神宮をおひとりで参拝。このときは内宮・外宮への参拝を前に神宮内の斎館で、決まり事に従って昼食を召し上がったという。 
 

 26日の参拝をつつがなく終えた愛子さまは、翌27日には県内の斎宮歴史博物館と、いつきのみや歴史体験館をそれぞれ訪問した。

 所功名誉教授によれば、古代から中世まで、皇室から皇女や皇孫女が『斎王』として伊勢に遣わされた。斎宮は、神宮の大事な祭祀に奉仕するために常駐した場所。代々の斎王は、衣食住にわたって厳しい決まり事が定められ、慎ましい生活を送っていたという。
 

 愛子さまは大切なお務めを終えて、ほっとしたのだろうか。

 斎宮博物館で、伊勢物語の中の絵巻について職員から「斎王のラブロマンス」と説明を受けた愛子さまは、斎王の恋愛が「タブーですか?」と質問。その場は柔らかな空気に包まれたようだ。

(AERA dot.編集部・永井貴子)

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