早いもので、2024年も折り返しです。1月~6月にAERA dot.に掲載され、特に多く読まれた記事をジャンル別に、ランキング形式で紹介します。皇室関係の記事の6位は「愛子さまは春風のような初々しいお手振り 雅子さまは娘にそっと声をかけた」でした(この記事は2月24日に掲載したものの再配信です。年齢や肩書などは当時のもの)。
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事前の応募なしでの一般参賀は4年ぶりとあって、みぞれが交じる厳しい寒さの中、たくさんの人がお祝いのために皇居を訪れた。誰もが楽しみにしているのが、天皇陛下と皇后さま、そして愛子さまら皇族方のお手振りだ。ベランダに姿を見せてから退出するまで、4分ほど。そのわずかな間でも天皇陛下や皇族方の横顔やお人柄が伝わってくる。
お手ふりは午前中に3回あった。10時過ぎ、宮殿「長和殿」のベランダに姿を現した愛子さまは、すこしだけ緊張している様子。 隣に立つ皇后雅子さまが、宮殿に集まった人びとの左後方に目を向けながらも一瞬、愛子さまに目線を移して何かを話しかける。娘が抱える緊張ごとそっと包み込むような優しい表情だ。愛子さまは、雅子さまと同じ方向に目線を移すと、集まった人びとに、にっこりと笑いかけた。
愛子さまが一般参賀に参加するのは、今回で3回目。成年は一昨年12月に迎えたものの、コロナ禍で中止が長く続いたため、23年の新年一般参賀がデビューとなり、昨年の天皇誕生日で2回目。今年の新年一般参賀は、能登半島地震の被害を考慮して中止。天皇陛下が64歳の誕生日を迎えた今回が3回目となった。
一般参賀でのお出ましやお手振りは、ご身位の順に決まっている。 ベランダへのお出ましは、天皇陛下そして皇后陛下、皇嗣家の秋篠宮さま、紀子さま、天皇家の長女の愛子さま、最後は秋篠宮家の次女、佳子さまの順であった。
「先月発生した能登半島地震によって亡くなられた方々に、あらためて哀悼の意を表するとともに、ご遺族と被災された方々に、心からお見舞いをお伝えいたします」
天皇陛下が、能登半島地震の犠牲者への哀悼と遺族と被災者へのお見舞い、そして寒さや雪で苦労する人びとへの労わりを込めた「お言葉」を読み上げた。
ひと呼吸あけて、お手振りが始まる。