画像はイメージです。本文中に登場する店舗とは関係ありません(写真=アフロ)
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 人気ラーメン店で、店側がSNSに客の「マナー」に対する注意や苦言を投稿し、議論を呼ぶ事例が続いている。時には店側が“炎上”することもあり、投稿が不利益につながる可能性もあるが、なぜあえてそうした行動に出る店が続くのか。かつて人気ラーメン店を経営していた男性に「中の人」目線で見解を聞くと、店側の切実な事情も垣間見えてくる。

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《店内でイヤホンつけるの止めて欲しい。ラーメンのお好みを伺っても聞こえてない、ラーメン出す時にお声がけしても聞こえてないから受け取ってくれない。イヤホンつけて動画見ながら食べてるから店の回転が悪くなる》

 X(旧Twitter)にそう投稿したのは、東京・早稲田にあるラーメン店「武道家 本店」の店主だ。店内にはスマホを見ながらの食事は禁止だと掲示しているとし、「昔はこんなことなかったよ」とこぼした。

 これに対し、SNS上ではさまざまな意見が飛び交った。

「迷惑なら注意は当然。客は神様じゃない」
「店と客の、暗黙のルールを理解しない人が最近は多すぎる」

 といった店側を擁護する意見もあれば、

「自由にさせてほしい。カフェならいいのに、なぜラーメン店はイヤホンNG?」
「食べるときの楽しみ方は客の権利。迷惑という程の行為なのか」

 という否定的な声も少なくなかった。

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國府田英之

國府田英之

1976年生まれ。全国紙の記者を経て2010年からフリーランスに。週刊誌記者やポータルサイトのニュースデスクなどを転々とする。家族の介護で離職し、しばらく無職で過ごしたのち20年秋からAERAdot.記者に。テーマは「社会」。どんなできごとも社会です。

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なるべく注意はしたくない