早いもので、2024年も折り返しです。1月~6月にAERA dot.に掲載され、特に多く読まれた記事をジャンル別に、ランキング形式で紹介します。ライフ関係の記事の7位は「給食に生徒が『ふりかけ持参』で賛否 『弁当と給食は別物』猛反発した市議が語った問題の本質」でした(この記事は3月17日に掲載したものの再配信です。年齢や肩書などは当時のもの)。
【写真】「ふりかけ持参」が議論になっている川西市の給食はこちら
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中学校の給食での「ご飯」の食べ残しに悩む兵庫県川西市が昨夏、生徒の提案を採用して、ふりかけの持参を認めた。それに対し、給食の提供にかかわった市議が猛反対。ウェブメディアも報じたことで、「ふりかけ持参」の是非をめぐる論争がわき起こった。「ふりかけでご飯が進むはず」「栄養バランスを考えているのに」。子どもたちのため、より良い給食をめざしてきた大人たちの議論の行方は――。
ことの発端は昨年9月、川西市が給食のために生徒に「ふりかけ」の持参を認めたことだった。
市が設けたルールは「1人あたり、ふりかけ1袋」「ほかの生徒に渡さない」「食物アレルギーのある生徒に配慮して、周りに飛散することのないよう注意する」というもの。
その是非をめぐり、論争がわき起こったのだった。
同市の中学校で給食が始まったのは2022年9月。地元の食材を使い、手間をかけてつくられた給食は生徒たちにもおおむね好評だが、ご飯の食べ残しが問題になっている。
越田謙治郎市長と市教委は昨年6~7月、市内の全7中学校を訪れ、中学生との意見交換会を実施。すると、「ご飯が余らないよう、ふりかけなどを持ってきてよいようにしてほしい」という提案が、生徒たちからあった。給食の導入前は生徒がそれぞれ弁当を持参しており、ふりかけを持ってくる生徒は普通にいた。
市教委はこの提案について、地域住民や保護者、給食センターの栄養教諭などから意見を聴きつつ、献立にどんな影響があるか、安全面で必要な配慮なども含めて検討。
その結果、ルールを定めたうえで、ふりかけの持参を認めることになったという。
それに対して、市議会で猛批判を展開したのが、黒田美智市議(共産)だ。
市内では、まず小学校で自校直営調理方式の給食が先行し、中学校については06年ごろから検討を重ねてきた。黒田市議は20年以上保育士を務めてきた経験をもとに、小学校と同様の方式、献立や手作り料理、さらにアレルギー対応などを求めてきた人物だ。