ウェストミンスター寺院を訪問した天皇、皇后両陛下。内部を見学し、「無名戦士の墓」に供花した
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 チャールズ国王の招待で、国賓としてイギリスに訪問した天皇、皇后両陛下。今回の訪英によって、英王室との新たな交流が始まった。AERA 2024年7月8日号より。

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 両陛下は英国に到着すると、チャールズ国王が用意したベントレーでロンドン市内のホテルに向かった。翌23日は天皇陛下がジャパン・ハウス・ロンドンの視察に向かった。サンパウロ、ロサンゼルスに次いで18年にオープンした日本文化発信の拠点で、筆者も訪ねたことがあるが、清潔かつデザインも斬新で、異国にいて日本人であることが誇らしく感じられる施設だった。

 天皇陛下は館長の説明を聞きながら輪島塗の銘品などを見て回られた。日本の外務省の施設でもあるので、ホテルに戻った陛下は、かつて外務省に勤務されていた雅子さまに、見聞きしたことをお話しされたのではないだろうか。24日には、天皇陛下は、世界最大の可動式防潮施設「テムズバリア」を視察。水問題をライフワークとする天皇陛下は、ヘルメットをかぶって水門を実際に歩き、担当者に多くの質問をされたという。

戦争の傷を癒やすため

 25日、両陛下はホテルまでお迎えに来たウィリアム皇太子と一緒に、バッキンガム宮殿近くのホース・ガーズ・パレードに到着した。ロイヤルパビリオンと呼ばれるテント内は、白菊と赤いバラで紅白の彩りに整えられ、チャールズ国王の胸のチーフは淡いピンク色で、カミラ王妃のブローチは桜のデザインだった。歓迎式典では、近衛連隊音楽隊が「君が代」を演奏。続いて「さくらさくら」が流れ、最高位の敬意を示す41発の礼砲が放たれた。

 こまやかな思いやりと、熱烈な歓迎ムードに包まれる中、天皇陛下はチャールズ国王と、雅子さまはカミラ王妃とそれぞれ馬車に乗って、観衆で埋まるザ・マルという大通りをバッキンガム宮殿までパレードした。チャールズ国王と天皇陛下は常に笑顔で談笑し、仲の良さを感じさせる時間だった。

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多賀幹子

多賀幹子

お茶の水女子大学文教育学部卒業。東京都生まれ。企業広報誌の編集長を経てジャーナリストに。女性、教育、王室などをテーマに取材。執筆活動のほか、テレビ出演、講演活動などを行う。著書に『英国女王が伝授する70歳からの品格』『親たちの暴走』など

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