フリーになって初期のころの永井美奈子さん(事務所提供)

――実際にフリーで活動されるようになって、いかがでしたか?

 力不足を感じました。私って平凡な人間だったんで。大きな挫折もしていないし大きな成功もしていない。アナウンサーでなく、自分が主役になって何を話せるかといったら何も話せない。バラエティー番組に出てもひな壇の中で埋もれてしまうんです。勝負しようと思ったけど何も武器を持っていないなかで生き残れないと。スポンジでいえばカスカスだったので、もっとジタバタしていろいろなことを吸収しなければいけないと思いました。英会話の専門学校に通ったり、慶大大学院に行ったり……。全然頭は良くないんですけど(笑)、必要な期間だったと思います。

24時間配信ライブでの苦労

――著名人のインタビュー、エッセーの執筆、朗読など様々な活動をしていますが、クラシック音楽イベント「霞町音楽堂夏Fes.」(略称・おんなつ)のプロデュースを手掛け、今年で5年目を迎えます。どのようないきさつで活動に携わったんでしょうか?

 クラシック好きの夫がクラシック専門の音楽ホール霞町音楽堂を始めたのがきっかけでお手伝いしていたのですが、2020年に新型コロナウイルスの大流行で、コンサートが世界中でなくなり、音楽家の方たちが職を失って。私は「24時間テレビ」を経験していたので、24時間配信ライブをやれば話題になると思って動き出しました。

 でも、まぁ大変でした(笑)。企画書、音楽家の出演交渉、契約書の手続き、配信のタイムキーパー、当日の司会、カンペ出しを全部やらなきゃいけない。恐ろしいほど忙しくて、途中で「私は何でやるって言ったんだろう」と……(笑)。でも無事に終わったら、音楽家の方たちに「ありがとう」と声をかけていただき、チケットを販売してくださったぴあの社長にも「歴史に残る偉業だよ」と褒めていただいて。凄くうれしかったですね。

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