「テレビに出演してから、いろいろな方とのコミュニケーションの機会が生まれています」と廣津留さん(撮影/吉松伸太郎)

 そうやって、日常のいろいろな社会問題について時間を割いてちゃんと考えるようになったことはよかったと思います。特にいまの時代、自分の目や耳に入ってくるニュースや情報って、個人の興味関心に沿って最適化されてしまうし、交友関係によっても偏りがあると思うんです。以前だったら、野球のニュースは自分からは見なかったので情報も入ってこなかったと思いますが、今は最適化しないことで自分の興味の範囲外についても広くまんべんなく情報を知るようになり、改めていろんな世界があることを認識できました。

 また、コンサートなどで地方に行ったときに「(テレビ)見ているよ」って声をかけてくださる方がいて、コミュニケーションが生まれるのは嬉しいですね。いろんな方と直にコミュニケーションできる機会をもらえたのはテレビ出演のおかげだと思います。

Q. ステージに立って生で演奏するときと、テレビで演奏するときの違いがあれば教えてください。緊張感はどう違いますか?

A. 生演奏か収録かというよりも、ステージかスタジオセットかといった場所の違いと、お客さんのあり・なしで演奏の仕方は大きく変わってきますね。緊張感の違いはあまりないかな。

 どんな場所・環境でも、まずは自分の中で一番良い演奏をすることが大前提です。その上で、生演奏だったらエンターテインメントであることを意識します。わざわざお越しいただいたお客さんに喜んでもらうため、その場でしか見られない「ライブ感」を演奏の見せ方やトークで表現することが多いです。会場によって音の出し方も変わるので、お客さんの雰囲気と会場の大きさで調整しています。テレビで演奏するときは、長時間弾き続けるということはないので、短距離を走るような気持ちで1曲に集中します。収録の場合は自分の耳に聞こえているようには他の人には聞こえていない場合が多いので、そのギャップも含めてどう聞こえてもいいようにという覚悟みたいなものはあるかもしれません。また、CDレコーディングでもテレビ収録でも、現場ではスタッフさんとのコミュニケーションや信頼関係も大事。関わる人が増える分、チームワークを大切にするように心がけていますね。

構成/岩本恵美 衣装協力/BEAMS

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