【HUROM(ヒューロム)】セールス&マーケティングチーム統括マネージャー、部長 安達正倫(あだち・まさとも)/1976年生まれ。大分市出身。2002年に上智大学卒業。IT関連会社、広告・制作代理店で、様々なサービスやブランドの広告・プロモーションの企画・制作、サイト運営などの実務を経験。16年から現職(撮影/篠塚ようこ)
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 全国各地のそれぞれの職場にいる、優れた技能やノウハウを持つ人が登場する連載「職場の神様」。様々な分野で活躍する人たちの神業と仕事の極意を紹介する。AERA2024年6月10日号にはHUROM(ヒューロム) セールス&マーケティングチーム 統括マネージャー/部長 安達正倫さんが登場した。

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 健康志向の人を中心に注目されている野菜や果物のコールドプレスジュース。スロージューサーと呼ばれる専用の調理家電で素材をゆっくり押し搾りながら作る。摩擦や熱が加わりにくいため、ビタミンや酵素などの栄養素が壊れにくいとされる。

 世界では肉や魚など動物性食品をとらないヴィーガンの人たちにも人気だ。日本でも提供するジュースバーやフルーツ専門店は都市圏を中心に増えているが、自宅で作って飲む人はまだまだ少ないという。

 野菜350グラム、果物200グラム。どちらも成人が健康的な生活を送るために必要な1日の摂取量だ。だが、7、8割の人は足りていないとされる。

「理由の一つは皮をむいたりする手間が面倒だということ。スロージューサーなら野菜や果物を皮ごと搾ることができ、たくさんの栄養素が詰まったジュースが簡単に作れます」

 家庭でも取り入れる人を増やそうと力を入れるのが、ウェブサイトのコンテンツの充実だ。前職のIT関連会社や広告・制作代理店で培った技術や見識を生かし、ニンジン、リンゴ、レモンのジュースなど250以上のレシピを素材や鮮やかなジュースの写真とともに公開した。

「栄養素の効果についてはどこまで言えるのかが難しく、表現には気をつかいます。健康や栄養について日々学び、試してみようと思ってもらえる言葉を探しています」

 実際に味わってもらえるイベントも計画中だ。発信力のあるインフルエンサーやモデルに協力してもらい、おいしさも伝えたいと考えている。

 ただ、生活に欠かせない家電ではなく、だれもが簡単に手を出せる価格ではないというハードルもある。

「だからこそ、どうしたら普及するかを考えるのが私の仕事。一般的なマーケティングのセオリーが通用しないところが面白い」

 健康に詳しくなった自身の日課は、毎朝のニンジンジュースづくり。続けることで季節や産地によって微妙に味が違うと感じるまでになった。

 現在のターゲット層は自身と同じ40代。仕事でもプライベートでも多忙だからこそ、健康を意識してほしいと考えている。最終的には、映画やドラマの一場面に普通に登場する家電にまで成長させるのが目標だ。(ライター・浴野朝香)

AERA 2024年6月10日号