子どもがよくする「鼻ほじり」。頻繁(ひんぱん)にしている場合、やめさせたほうがいいのでしょうか? 鼻ほじりにまつわるギモンについて、静岡県立こども病院耳鼻いんこう科医長の橋本亜矢子医師に聞きました。
【図版】医師に聞く!子どもの鼻ほじりをやめさせる4つのポイントはこちら鼻ほじりは、よくないこと?
Q 子どもの「鼻ほじり」のクセ、よくないことですか?
「鼻ほじり」をしょっちゅうしていると、鼻の粘膜や血管を傷つけてしまい、鼻血が出やすくなります。また、風邪にかかったときやアレルギー性鼻炎があるときに鼻ほじりを何度もすると、傷ついた鼻の粘膜に細菌が感染して、皮膚の感染症である「とびひ」(伝染性膿痂疹:でんせんせいのうかしん)になることがあります。
とびひは鼻の周囲に広がるほか、その手であせもや虫刺されなどをひっかくことで、他の部位にも広がることもあります。
Q なぜ鼻をほじりたくなるのでしょうか?
クセでやってしまっているお子さんもいると思いますが、それまでやっていなかったのに、急に鼻ほじりが始まった場合は、鼻風邪やアレルギー性鼻炎などの原因が考えられます。また、緊張状態になっているときに、心を落ち着かせるために鼻をほじってしまっているケースも頻度は少ないと思いますが、あるかもしれません。
Q アレルギー性鼻炎があると、なぜ鼻をほじりたくなるのですか?
アレルギー性鼻炎の症状は、「くしゃみ」「鼻水」「鼻づまり」です。ダニやハウスダストによる通年性のアレルギー性鼻炎は、病名の通り、一年中、症状が出やすいため、病気に気づかない、あるいは、薬が効いていない場合は、こうした不快な症状がしょっちゅう起こっているわけです。それを解消しようと鼻を触ることが多くなります。小さい子どもはティッシュで鼻をかむ習慣がないため、なおさら鼻をほじったりいじったりするような行動をとりやすくなります。
鼻ほじり、やめさせるにはどうしたらいい?
Q 「鼻ほじり」をやめさせるよい方法はありますか?
「しょっちゅう鼻をほじっていると、鼻血が出ちゃうからやめたほうがいいよ」などと注意してあげるといいですね。それでもやめられない場合はやはり、一度、耳鼻咽喉科にかかって、アレルギー性鼻炎などがないかを診てもらうのがいいと思います。
ただ、すぐにやめられない場合も多いので、鼻に傷がつきにくいよう、子どものつめを短くしておくことをおすすめします。
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