SBI証券投資情報部長の鈴木英之さん(撮影/朝日新聞出版写真映像部・上田泰世)
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新NISA口座を通じて1〜3月に買われた日本株の生データ(主要ネット証券5社、通常非公開)を独自入手。買い付け金額のランキングをもとに経済のプロから話を聞いた。

【表2つ】新NISA3カ月で個人が買った日本株ベスト30はこちら!

(本記事はアエラ増刊「AERA Money 2024春夏号」から抜粋しています)

 日経平均株価は今年2月にバブル期の最高値を超え、3月には史上初めて4万円を超えた。株価上昇とともに投資家は日本株への関心を強め、新NISAを利用した買い付けも活発化した。

 さて、新NISAで個人が実際に買った日本株のランキングを発表しよう。詳しくは表を見ていただきたいが、一番人気はJT(日本たばこ産業)、配当利回り4%台後半。東証プライム銘柄の平均約2%に比べて高水準である。

 SBI証券の投資情報部長・鈴木英之さんは語る。

「JTはコンスタントに5%近い配当利回りをたたき出しているので、安定的に買い付けランキング上位に入りやすい銘柄です」

 新NISAでは値上がり益とともに、配当にかかる税金も非課税。個別株の保有中に配当が定期的に入ってくると、うれしい。

買いやすさも大事

 2位のNTT(日本電信電話)は3%近い配当利回りと、100株2万円未満の少額で投資できることが人気の要因とみられる。NTTは昨年7月に1株を25株に小口化する株式分割を実施し、「はじめて買う人にとってハードルの低い株」(鈴木さん)になった。

 SBI証券では新NISAと関係なく「顧客がはじめて投資した銘柄」のデータを定期集計しているが、NTTは長らくトップだそう。

 3位の三菱UFJフィナンシャル・グループも100株購入に必要な金額がメガバンクで最も低い。「買いやすさ」も新NISAのキーワードといえるだろう。

 ところで、JTとNTTは筆頭株主が財務大臣。つまり日本政府である。三菱UFJ銀行は世界有数の大手行。6位のトヨタ自動車は生産台数世界一。いずれも企業としての安定感はある。

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中島晶子

中島晶子

ニュース週刊誌「AERA」編集者。「AERA」とアエラ増刊「AERA Money」の編集担当。投資信託、株、外貨、住宅ローン、保険、税金などの経済関連記事を20年以上編集。NISA、iDeCoは制度開始当初から取材。月刊マネー誌編集部を経て現職

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