落語家・春風亭一之輔さんが連載中のコラム「ああ、それ私よく知ってます。」。今回のお題は「鰹」。
私は鰹が好きだ。たしか自分のmixiのプロフィールにも「好物」として「鰹のたたき」と書いていたような気がする。気がするのだが、パスワードを忘れてしまったし、今更ログインする必要性も感じないので真偽のほどはわからない。
校閲の人、べつに無理に確認しなくてもいいですからね。今からアカウント作ってマイミク申請されても、承認しようがないのです。
でも本当に好きなのだ、鰹。信じてください。
10年くらい前か。うちの師匠が寄席でトリをとった千穐楽の打ち上げ。私が鰹のたたきを注文した。だって好きだから。総勢8名なのに4皿も頼んでしまった。しょうがない、好きなんだもの。ひと皿に10切れくらいあったか。私以外の人は1〜2切れ食べれば十分だったようで、ずいぶん余ってしまった。
「食べないならオレ、もらいます」
そらぁ言うよね、好きなのだから。
「好きだねー」「好きですねー」「食べすぎてお腹壊すなよー」なんて、鰹好きな私のことを皆がヒューヒュー!と囃し立てる。師匠も先輩も後輩もみんな私の鰹好きを羨んでるのかも。「そんなに好きなモノがあるって、一之輔、ホント羨ましい!」って。まぁ、べつに何言われてもかまわないよね。好きなんだよ! オレは鰹が!
「鰹が兄さんのことを好きかどうかはわかんないっすよ(笑)」