将来もらえる年金をイメージするには
今後の議論はさておき、今ある老後の不安を少しでも減らすうえで、まずやっていただきたいことが、年金額の試算をすることです。
毎年の誕生月に届く「ねんきん定期便」や、「ねんきんネット」などでも、将来もらえる年金額の試算を確認することができますが、一番おすすめなのが厚生労働省の「公的年金シミュレーター」(https://nenkin-shisan.mhlw.go.jp/)。会員登録などが不要で、簡単に試算することができます。
なんとなく老後が不安だ……と思う前に、一度試算をしてみると具体的な金額が見えてきて、今の手取りと比較し、老後に備える具体的な金額感なども見えてくるはずです。
年金は老後のためだけじゃない
年金=老後のため、と思っている人は多いと思いますが、実はそうではありません。
生活や仕事に支障をきたしてしまうほどの病気やケガをしてしまった場合に受け取れる障害年金は、今、現役で働いている私たち世代もいざというときにもらえるもの。
また、自分がもしも死んでしまったときに家族が受給できる遺族年金も、要件を満たせば老後に関係なく受け取れるものです。
このように、実は年金は老後にだけ受給できるものというわけではなく、今の私たちに万が一のことが起きたときにも経済的支援が受けられる仕組みなのです。
収入に対して納めている金額が大きければ、年金を支払い続けることに疑問を持ったり、不安を感じてしまったりするのは当然です。
しかし、年金は「将来」だけでなく、「今」の私たちにも関係があるもの。そんな年金の仕組みを、まずは理解しておきましょう。