復帰後はグラビアのオファーもあったという(撮影/高野楓菜)

――復帰後はグラビアのオファーも来ましたか?

 いただきました。ありがたい話なんですけど、書籍やDVD化した時の売れ高を考えると自信がなくて……。「芸能界に復帰して何を言っているんだ」という話ですが(笑)。ネットで簡単に画像が見られる時代になり、私がグラビアをしていた20年前に比べて商品価値が下がっている。私の体に価値がないとかではなく、PV数は稼げても物販で買わせるまでいける気がしない。「きれいなお姉さんブーム」で、私は人妻なのでターゲット層があるとは言われるけど、「ほかも素敵な方がたくさんいるからなあ」と思ってしまいます(笑)。

焦りはありました

――改めて18歳にデビューして5年間の芸能生活はいかがだったですか。

 突然始まって、突然終わって。助走なく短距離走で駆け抜けた感じですね。私は下積みと呼べる時代がなく、突然売れたので自分の武器が何もない。仕事のスケジュールがどんどん埋まっていくので、毎日どうしようと悩んでいました。何も取り柄がない自分ができることを必死に考えたら、「笑った顔がかわいい」とおっしゃっていただくことが多かったので、ずっと笑っていようと。シリアスな状況以外は絶対に真顔を見せないと決めていました。裏を返せば、これぐらいしかできることがなかったです。

――人気絶頂だった時に葛藤を抱えていたんですね。

 葛藤がない瞬間はなかったですね。ずっと笑っていることで疲れるとかはないんですよ。仕事は楽しかったですし、必要とされるのはありがたいですから。ただ、笑うことしかできない自分は商品価値として低いので、「このままではまずい」という危機感は常に持っていました。年齢を重ねてグラビアの仕事が長続きするわけではないですし、トークや演技で立ち位置を確立しないと芸能界で需要がなくなっていく。何とかしたいけど、どうしていいかわからない。焦りはありました。

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残りの10キロがなかなか落ちなくて(笑)