ある大手競馬新聞の記者は「若年層は特に気をつけるべきだ」と警鐘を鳴らす。

「コロナ禍では競馬のレースは全て無観客でしたが、制限が徐々に解除され、今ではコロナ前の状態に戻りました。ネットで馬券が購入できる手軽さから若年層にも競馬ファンが広がっています。ここ数年で競馬場にも訪れるようになっており、競馬をはじめたばかりの若年層が狙われているのではないでしょうか」

 ここ数年で若年層の顧客が急増している。10年から国民的アイドルグループのイベントを積極的に行ったり、テレビCMに有名な若手俳優を起用したりするなど、「おじさんだけの娯楽」というイメージを払拭してきた。また競馬場内には女性専用のリラックススペースを設置するなど、女性顧客の獲得にも努めている。

 重賞レースなどが頻繁に行われる中央競馬だけではなく、地方競馬も同様だ。大井競馬場(東京都品川区)でレースを開催している東京シティ競馬では、22年度の売上高が31年ぶりに最高値を更新し、1954億5720万円(前年度比約7パーセント増)となった。

高額な情報商材

 前出の記者が続ける。

「競馬をはじめたばかりの若年層のなかには『楽をして稼ごう』とする人がいて、そうした人のトラブルが目立っています。彼らは、よく調べたり自分で考えたりしないで馬券を購入するのです。競馬業界ではいま、インターネット投票での的中画像を加工し、あたかも高額的中をしたように見せかけて、競馬に関する高額な情報商材を売る業者が問題視されています。当たり前ですが、一度冷静に立ち止まって、ちゃんと自分で考えて判断することが求められます。おいしい話はこの世に絶対ありません」

(AERA dot.編集部・板垣聡旨)

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