竹増貞信/2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長
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「コンビニ百里の道をゆく」は、54歳のローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。

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 今年も大好評でした。全国のローソン店舗で2月に3週間にわたり、価格据え置きで重量を約47%増量した「盛りすぎチャレンジ」を昨年に続き実施しました。

 今年はおにぎり、店内調理弁当、調理パン、デザートなど計19品が対象でした。昨年は予想以上に好評で商品の製造が追いつかなかったという反省から、今年は生産量もぐっと増やしてのぞみました。それでも商品が完売する状況があり、「買えなかった」という声が出るほどでした。

 申し訳なく思う一方で、ご愛顧いただき本当にありがとうございましたという気持ちでいっぱいです。やはりそこは、特徴的な商品自体の魅力が大きかったと思います。

 おにぎりなんて47%増量となると、手にしたときにもう重いんですよ(笑)。新宿中村屋さん監修のカツカレーはカツが2枚入っていて容器からあふれるほど。プレミアムロールケーキなどのデザートは生クリームが山盛り。見るだけで楽しい。今年は商品数も昨年より増えましたし、「盛りすぎチャレンジって、なんか面白いよね」というワクワク感をお客様と共有し、一緒に盛り上がれたのがとてもよかったと思います。

「盛りすぎチャレンジ」では商品説明会も実施

 今年の盛りすぎチャレンジは、昨年と違うことがもう一つありました。お客様と一緒に、被災した能登の支援をするということでした。能登半島地震の義援金として、チャレンジの期間中に、対象商品販売1個につき1円を、被災地の自治体(石川県、新潟県、富山県)にお届けすることにしました。

 盛りすぎチャレンジでの義援金として約2700万円が集まり、店頭募金と合わせて合計約2億7800万円を被災された皆様の支援のために役立てていただくことになりました。盛りすぎチャレンジは来年もまた、さらにパワーアップして皆様に楽しんでいただければと考えています。

◎竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長

AERA 2024年3月25日号