記者会見で質問に答える河村たかし市長=2023年6月、名古屋市役所
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 名古屋市立の小中学校の校長、教頭、教務主任の人事に際し、毎年「校長会」など数十の任意団体が、推薦名簿とともに1団体につき数千~6万円の金品を同市教育委員会の教職員課に提供していたことがわかり、市などが調査を進めている。教育現場の「幹部」のポジションをカネで買っているとも取られかねない事態に、同市の河村たかし市長は取材に、「“教育とカネ”の問題。徹底的に調べる」と怒りをあらわにして話した。

【写真】商品券、現金……名古屋市教委が作成したリストはこちら

<校長会 熱田区 40000>

<算数・数学   25000>

<大学・愛知教育大学 3年次 60000>

 数字がずらりと並ぶ。名古屋市教委が作成した、2023年に任意団体が教育委員会に“上納”した金額の「リスト」をAERA dot.が入手した。

 推薦名簿を提出した任意団体は86あり、現金もしくは商品券を提供していたのは69にのぼる。うち、現金を贈っていたのは、6万円が4団体、4万円が2団体、3万円が13団体。商品券では、3万5千円が2団体、3万円が8団体、2万5千円が1団体、現金と商品券で計4万円が1団体。これらの合計は221万1千円と集計されている。

「表ざたになってはしょうがない」

 暗い表情でそう話すのは、15年ほど前に名古屋市内の学校で校長を務めたAさんだ。

「毎年、人事異動の時期になると、推薦名簿とともに3万円を出していました。推薦状がないと、教頭や校長にはなれない。直接、市教委に払うのではなく、(校長会などの)団体が払ってくれるので罪悪感があまりなかった。それに、校長になれば校長会をはじめ様々な団体関連で毎年10万円ほどは会費名目で取られてしまう。当時は推薦状で3万円くらいは出してくれても当然という感じでいました」

 Aさんはそう打ち明ける。こうしたことがいつくらいからあったのだろうか。

「私も一時期、教育委員会にもいたのでわかるが、人事の時期は非常に多忙です。その陣中見舞いという話でした。教員の人事は基本的に教職員課の課長らが決めるので、そこに現金が流れていることがわかった。たぶん30年ほど前からやっていたようで、最初は商品券やビール券だったが、いつの間にか現金に代わった」(Aさん)

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