瀬尾さんの長男を抱っこする寂聴さん(瀬尾さん提供)

体を抜け出して心が自由になった

 こうした姿を見ていたからこそ、亡くなったときに「良かったと思う部分もあった」と瀬尾さんは口にする。

「もちろんすごく悲しかったですけど、やっとしんどい体を抜け出して、若い心が自由になったのなら、『良かったね、先生』って思うんです。本人も喜んでるんじゃないかなって」

(AERA dot.編集部・唐澤俊介)

※【後編】<秘書・瀬尾まなほさんが明かす瀬戸内寂聴さんに“初めて怒られた”こと 「自分を粗末にする人間はもう寂庵にはいらない」>に続く

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唐澤俊介

唐澤俊介

1994年、群馬県生まれ。慶應義塾大学法学部卒。朝日新聞盛岡総局、「週刊朝日」を経て、「AERAdot.」編集部に。二児の父。仕事に育児にとせわしく過ごしています。政治、経済、IT(AIなど)、スポーツ、芸能など、雑多に取材しています。写真は妻が作ってくれたゴリラストラップ。

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