

答えは「 tanikenn@xc4.so-net.ne.jp 」まで。正解者の方から1名の方に谷川賢作ライブご招待(^o^) (撮影/谷川賢作)
前号で暑い暑いとのたまっていたら、これを書いている今日8/27(木)は初秋の涼しい風に身を任せ、さてこれで仕事がはかどるのかと思いきや、私の頭は相変わらずの五里霧中&七転八倒の錯乱状態。なんや、結局のところ君は暑くても涼しくても寒くても暖かくても一緒やん。いよ~ ポンッ!
さて犬と書きだしていきなりの猫ほめちぎっですが、猫と言えばご存知、佐野洋子さんの名作『100万回生きた猫』ですね。そこで、深キョン&成河さん主演のミュージカル@芸術劇場プレイハウス見てきました。実は1幕は舞台美術&人の出し入れ&動かし方(振付ということなのか)は見事だったのですが、進行がちと退屈気味で、どうなることかと心配したのですが、2幕に入り主演の二人芝居になるやいなや、突如舞台には詩情あふれ出し、見ているこちらも大粒の涙一粒二粒。いや、やはり「人の動きとライティングが命でセリフなんて二の次さ、が舞台でしょ」、と言ったら各方面からお叱りを受けますが、でも二人はシンとした清潔で澄んだ空間の中で「意味ありげな他愛ないしりとり」を小気味よくキャッチボールしつつじゃれ合っているだけで、感情的なことばの応酬でドラマがすすんでいくのではない、ということが実に気持ちいい。そして淡々と走馬燈のように生を謳歌し、死を迎える。ラストの全登場人物が優しく二人(二匹)を見送るシーンは、先日見た映画『おみおくりの作法』の静かなエンディングを彷彿とさせて、とても胸に迫るものがありました。必見ほめちぎっ!(今号掲載時には公演終了しているので、次回の公演をお楽しみに!)
さて今回は犬がテーマでした。実は小さい頃は犬がきらいでした。どんなに人なつこい愛らしい犬でも、ただひたすらこわがって近づかない私を母も妹もバカにしていたのですが、一体その原因がなにに(トラウマ?)あったのかいまだによくわかりません。
ところがある日突然、私以外の家族の策謀により犬が突然我が家にやってきてしまうのです。ガーン!だった少年賢作ですが、ショックを受けたのも束の間。生後間もないそのちんちくりんのへちゃむくれのドジで人なつこいチビ柴犬のかわいいことといったらありません。いつでもどこでもお目々ぱっちり、よだれハアハア、カラダ全体で人の足にスリスリ。運動量全開のこれぞ100%愛情まき散らし!に、いきなり一気に犬に目覚めて(オネエに目覚めでなくてよかった(^_^;))しまった私は、今までの遅れを取り戻すかのごとく、まあこれでもかこれでもかと甘やかしまくり。「ワン」と名付けられた我が家の新しい愛しい家族の一番のお気に入りの人間になるべく昼夜暗躍します。学校から帰るやいなや、まずは抱きしめ&撫でまくりじゃれじゃれスキンシップタイム(必ずや妹と奪い合い)犬には必須の散歩も率先して行きましたし、いいことだけでなく悪いこともかまわずやりました(恥をしれ私)。文字通りに「味をしめちゃう」から、甘いものなんか絶対あげちゃだめよと言われているのに、影でこっそりお菓子なんぞをあげて、「ワン」の歓心はひくものの、家族の顰蹙を買っていました。(繰り返しますが相手が犬でよかった、おれ。。。)
ペットとの距離感話は、よくある世間話の一つでしょうが、街を歩くだけでも??な態度を示す人(たとえば、赤ちゃんことばで話しかけまくり、顔中舐めるにまかせる人)をたまに見かけますよね。でもそれは決まって犬。そう猫は人と連れだってなんか歩かないから。でも猫はよそのお宅に伺うといつも毅然と「鎮座ましまして」いますよね。「なによ、あんた。なにしに来たの?」これが猫の不変の基本姿勢。それで、その家の主と猫の距離感をつぶさに観察することもこちらの楽しみの一つだったりします(時には思ってもみなかった主の別の顔を発見できたりもする)
脱線。猫はおいといて(^_^;)、こうして犬との距離が一気に縮まった私ですが、一番辛い思い出は「ワン」の埋葬。蜜月時代から十何年も経過し、あの可愛かった面影は今いずこ。立派な?老犬となった「ワン」は台風の夜に最期を迎えます。あお~ん、と悲痛な末期の遠吠えをしつつ、それを高まる雨と風の音とともに聞きながら、楽しかった思い出も次々に甦りつつ過ごす一夜のやるせなさときたら。シクシク。
台風一過の翌朝、猫の額より若干大きい位の我が家の庭に、四肢を硬直させたまま逝ってしまった愛犬を一人さみしく埋めましたとさ(その頃私の“ワン愛享受ライバル”の妹はUSA在住。彼女の悲しみもハンパなかった)
誰しも間違いなく皆共感してくれますが「ペットは死んじゃう時が耐えられないから飼わない」という一言が今の私にとっても結論かな(将来わかりませんが)。それにしても人が生きるということは「おみおくり」の連続なのですねえ。ため息。今ふと、見ず知らずの人のお葬式に出かけるのが共通の趣味の夫婦を描いた『清水夫妻』という江國香織さんの短編を思いだしました。不思議な小品です。「ほめちぎっ」9月も疾走します。ん?皆様もですね。うむうむ。ご自愛ください [次回9/7(月)更新予定]