「『ゴールデンカムイ』は、単なるエンターテインメント作品にとどまらず、アイヌ文化や開拓史に向き合う硬派な面もあり、コアな原作ファンが多い作品。『ジョジョ~』と同じく、思い入れの強い読者が多いだけに、山崎さん演じる主人公と壮絶な金塊争奪バトルを繰り広げる鶴見中尉役の玉木宏、新選組の生き残り・土方歳三を演じる舘ひろしなど、再現度の高さに期待が高まります。これまで山崎さんは、人間の持つ強さと弱さをうまく表現し、ナイーブな役も勇躍な役もしっかりと演じ分け、数多くのキャラクターを再現してきました。きっと『ゴールデンカムイ』でも、原作ファンが納得する演技を見せてくれるはずです」(民放ドラマ制作スタッフ)

 作品の実写化にあたって、山崎は「ファンになるくらい原作を読み込む」「好きになれば、作品をつくっていく過程もすべてが楽しくなる」(「クランクイン!」16年9月10日)と語っており、真摯な姿勢で取り組むことでも知られる。最初は評価が分かれた「ジョジョ~」についても、「山崎賢人からジョジョになっていく過程がすごい」とアンチすら認めざるを得ない情熱があった。

「週刊SPA!」元副編集長・芸能デスクの田辺健二氏は山崎の魅力をこう解説する。

「山崎さんは単に二枚目というだけでなく、目力があり色気もある上にスタイルもいいので、いわゆる“主人公顔”の筆頭株として活躍してきました。映画主演作が多いため、たまに連続ドラマで主演するとそれだけで話題になるのも、“映画俳優”というブランディングが功を奏していると言えます。演技力も申し分ないので、人気漫画原作の映画であればまずキャスティング会議で名前が挙がるのもうなずけます。しかし、一方で人気漫画原作であるがゆえに『キングダムやジョジョもやって、金カムまでやるなよ』と否定的に見るファン心理も理解できます。ただ、山崎さんは“プロ主人公”なので、今までの作品とはまた違ったキャラクターをしっかり仕上げてくれるはず。『キングダム』と比較されるのは間違いないので、相当なプレッシャーがかかっているでしょう。そんな上がり切ったハードルを山崎さんがどう飛び越えていくのか、期待せずにはいられません」

 難役を乗り越えて、さらなる高みを目指す山崎の姿に期待したい。

(雛里美和)

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雛里美和

雛里美和

ライター。新宿・十二社生まれの氷河期世代。語学系出版社から邦ロックシーンを牽引するライブエージェント(イベンター)を経て、独立。教育からエンタメまで幅広い分野で活動する。

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