仮にこの状態のまま長風呂をしてしまうと、血流が落ちていき、心臓や肺に大きな負担がかかります。

 そして、さらに大きな問題が、「お湯から上がるとき」に起こります。

浴室での「立ちくらみ」が命をうばう

 水圧でぐっと収縮し、心臓へ血液を戻していた手や足の静脈は水圧から解放され、一気に弛緩します。しかも立ち上がりますから、重力によって下半身に向かって血液が勢いよく流れ出していく。

 すると、一時的に脳へ送られる血液量が減り、目の前が暗くなります。起立性低血圧症といって、いわゆる立ちくらみが起き、フラフラと倒れてしまうわけです。

 これは、大変危険です。

 もし、昔ながらの深い湯船だった場合、倒れた拍子に頭を打ち、意識を失い、溺れてしまうといった最悪のケースにおちいる可能性もあります。

 最初にお伝えしたように、自宅で亡くなる人が命を落としている場所は、圧倒的に「浴室」です。特に高齢の方は、加齢によって血管のやわらかさが失われているため、リスクが高まるのです。

 また、医師から心臓が弱いと指摘を受けている方、高血圧の方は肩までしっかりつかってはいけません。立ちくらみ、脳虚血、失神の原因になります。

 おすすめは、みぞおちまでつかる半身浴。これを守るためにも「湯量は腰まで」をルールにしましょう。

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