パソコンが進化して便利になる一方、その進化についていけていないといった人も多いのではないだろうか。特にWindows7が導入されて以降、画面のデザインが一変し、ベテランのビジネスマンでも戸惑ってしまうという。「簡単マニュアル」といったうわべだけの操作をなんとなく覚えている層にとっては、突然起こるトラブルへの対処法がわからないのだ。
よく聞くのが、「デスクトップ上から突然アイコンが消えた」という声だ。仕事で必ず使う「Word」や「Excel」のアイコンが消えてしまうと、本当に焦ってしまう。ひょっとしてアプリケーション自体がなくなってしまったのではないか……と心配になる。
ほかにも、「Word」を示すアイコンの「W」のロゴが消えて白っぽいアイコンになっていた、なんてことも聞く。「ダブルクリックをするとWordが立ち上がり使えるのだけど、なんだか気持ち悪い」と言うユーザーも少なくない。再起動をかけると直る場合はいいのだが、何度、再起動をトライしても改善されない場合はどうすればいいのだろうか。ここでは、Windows7の場合の対処法を指南していく。
■なぜ、アイコンが消えてしまうのか?
アイコンが消えてしまう原因として考えられることは2つある。1つ目はwindows7に導入された「トラブルシューティングツール」と言われる機能だ。Windows7では、デスクトップ上に4つ以上の破損したショートカットがあると、自動的に削除されてしまう。
2つ目はセキュリティーソフトの修復機能が働いたことが考えられる。また、ショートカットの破損として考えられるのは、外部のHDDやUSBメモリーに保存したファイルのショートカットのリンク先(ファイルの場所)が見つからない(接続の度にDドライブになったり、Eドライブになったりするため)場合や、ネットワークが使用できない環境にもある場合などである。
「Word」や「Excel」のアプリケーションをネットワーク経由で使用している場合に、アイコンが消えてしまうのはこのためだと考えられる。
では、どのようにすれば解決できるのか?
■デスクトップからアイコンを消さないための対策
トラブルシューティングツールが削除機能を実施するのは週に1回となっている。このタイミングでアイコンが消えた場合、ツールが自動削除したと考えられる。
ショートカットが破損しているとみなされないようにする対策としては、パソコン内に保存されていないファイルやアプリをデスクトップから別の場所に移動する方法だ。パソコンの「マイドキュメント」に「ショートカット」などの名称でフォルダーを作り、そのショートカットをデスクトップに作る。「ショートカット」のフォルダーにデスクトップのUSBや外付けHDD、ネットワーク経由のファイルのショートカットを移動しておく。
何だかややこしそうだが、こうしておけばショートカットが消える心配はない。
ショートカットは、対象のフォルダーのアイコンを右クリックし、[送る]から[(デスクトップ)ショートカット作成]をクリックすれば、作ることができる。
もう一つの対策としては、トラブルシューティングの機能自体を無効にすることである。こちらはまず、[スタート] から[コントロール パネル] をクリックし、[システムとセキュリティ] の [問題の発見と解決]をクリック。左側のナビゲーションウィンドウで [設定の変更] をクリックし、[コンピューター保守] を [無効] に設定すればOKだ。
セキュリティーソフトの設定は各メーカーにより異なるが、リンク切れのショートカット(先のショートカットが破損と同じ現象)を自動的に削除する機能があるので、そちらを無効にすればよい。
■ショートカットを元に戻す方法
デスクトップからアイコンが消えてもアプリケーション自体が削除されたわけではないので、アプリケーションの場所を探して、そこから新たにショートカットを作ればよいのだ。アプリケーションの場所だが、Windows7の場合は下記のディレクトリにアプリケーションが保存されている。
→Windows7が32bitの場合 C:\Program Files \Microsoft Office\Office14
→Windows7が64bitの場合 C:\Program Files (x86)\Microsoft Office\Office14
このディレクトリに保管されている、「Word」もしくは「Excel」のアイコンを右クリックし、[送る]から[(デスクトップ)ショートカット作成]をクリックすればOKだ。ショートカットを作る際はくれぐれも削除をしないように、注意をしてほしい。
アイコンが消えてもあわてないために、最低限、知っておくべき情報である。
(ライター・中森勇人)