竹増貞信/2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長
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「コンビニ百里の道をゆく」は、54歳のローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。

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 毎日、暑い日が続きますね。近年は、「暑くなったね」があいさつ代わりになっていましたが、今年は昨年をも上回る酷暑です。

 軽井沢の店舗のオーナーさんからも「避暑地だし、東京に比べればマシかもしれないけど、めちゃくちゃ暑い」と。先月には札幌でも史上最高気温を更新しましたし、日本全国、涼しいところなんてなくなってしまったようです。

 台風も異常でした。8月の台風6号は、動きがゆっくりで過ぎたと思ったらまた戻ってきた。沖縄のオーナーさんは、「生まれてこの方、この台風がいちばん大変だった」と話されていました。

 雨の降り方も猛烈になりました。私たちが子どもの頃、夕立はさーっとひと雨来た後には涼しい風が吹くという風物詩的なものでした。今は風情に浸っている場合ではないですよね。

北海道の街頭でも気温「36度」が表示されていた=8月23日午後、札幌市中央区

 地球温暖化の問題が「もう待ったなし」と言われて久しいですが、地球がおかしくなり、異常気象はどんどんエスカレートしている。それを実感せざるを得ない夏になっていると思います。

 私たち一人ひとりが、地球にやさしい、環境フレンドリーな姿勢を徹底すること。Z世代を含む若い世代の方々は、すでにそういった価値観をどんどん高めていっていますが、問題は私たち大人世代です。全員が地球のことを真剣に考えないと、人間が住めないくらいの気候になってしまうのではないか。そんな恐怖さえ感じます。

 ローソンも、CO2をなるべく排出しないよう、店舗の冷蔵庫や冷凍庫に扉をつけたり、排出削減につながる要冷機器を導入したり、太陽光パネルを活用したり、さまざまなチャレンジをしています。

 危機を脱するためには、一人ひとりの行動と、企業の努力。それがますます重要になってくる。あらためて思った、この夏です。

竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長

AERA 2023年9月18日号