だが、こうした対策は抑止にこそなれ、根本的な解決にはならない。
「カメラの死角を探したり、個人的につながったりといくらでも抜け道はあります」
そう指摘するのは、大船榎本クリニック精神保健福祉部長で『「小児性愛」という病─それは、愛ではない』の著書がある斉藤章佳さんだ。「不用意に児童に接触しない」「二人きりにならない」など環境を工夫することは重要だが、それだけで防ぐことは難しいという。
実際に、大学生の頃に学習塾でアルバイトをしていたという女性(29)は、塾の実態についてこう説明する。
「卒塾するまで生徒と連絡先を交換するのは禁止されていました。でも、インスタを使えば簡単につながれる。生徒からアカウントを見つけられることもあるし、生徒のやつを見つけて、『かわいいよね』と友達に見せびらかす人もいましたよ」
(編集部・福井しほ)
※AERA 2023年9月11日号より抜粋