取材に応じる竹内さくらさん(撮影/吉崎洋夫)
取材に応じる竹内さくらさん(撮影/吉崎洋夫)

 以前の応援団はリーダー部、吹奏楽部、バトン・チアリーディング部の3部体制だった。07年、リーダー部内での不適切な行為を苦に元部員が自殺するという事件が起こった。大学は「部が自力で改善する余地は認められない」と判断し、08年にリーダー部は廃部、解散となっている。

 応援団は吹奏楽部とバトン・チアリーディング部の2部体制となっていたが、応援団に大学からの指導者が入り、抜本的な改革を実施。12年にバトン・チアリーディング部の下部組織として応援指導班が設置され、現在に至っている。

 菅谷監督はこう語る。

「応援団ではリーダー部から団長を出すことが伝統としてありました。しかし、女性が8割を占める応援団で、男性からしか選ばないのは不自然。応援団はかつての旧態依然とした組織とは明らかに変わった。それをわかりやすく示すためにも女性団長を誕生させることを長く考えていました。もちろん『女性団長を輩出すること』が目的ではありませんが、今は男女問わず、リーダーシップ力や合意形成力など総合的実力を見て団長を選んでいる。それは応援指導班でも同じです」

 監督が学生に関与するようになる以前の問題を引き起こした応援団では、幹部が絶対的な権威を持ち、何をするにもお伺いを立てないといけない封建的な組織になっていたという。後輩に対して『なぜそんなこともわからないんだ』と厳しく叱責しながらも答えは言わないなどの理不尽がまかり通り、鉄拳制裁も日常茶飯事。幹部しか通れない階段があったりと異常な状況があったという。

 だが、現在の応援団の雰囲気はまったく違う。応援団長を務める竹内さくらさん(総合数理学部4年、チアリーディング部所属)は「今の応援団は風通しが良い」と語る。

「組織なので上意下達なところはありますが、下級生が上級生に何も言えない、ということはありません。『これは違う』と思ったら臆することなく上級生に意見を言いましたし、上級生も真摯に聞く耳を持ってくれていました。今も下級生から『こうしたほうがいい』と意見されることもある。上級生に変な怖さ、というものは必要ありません」

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「無用なルールは見直していく」