Snow Manが東京ドームに単独公演をひっさげて“帰って”きた。ジャニーズJr.「8・8祭り~東京ドームから始まる~」でのデビュー発表からわずか4年足らず、声出し全面解禁で迎えた初のドームツアー「Snow Man 1st DOME TOUR 2023 i DO ME」。その喜びを爆発させるかのように、9人のメンバーと5万5千人のファンの熱い“Cry out(叫び)”が、会場を揺るがした。AERA 2023年6月26日号より紹介する。
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東京ドームが“叫び”で満ちた。Snow Man初のドームツアー東京公演初日の終盤、絶大な人気を誇るデビュー前のオリジナル曲「Cry out」。ジャケットを脱ぎ捨て、互いに煽るようにこれまでになく激しく踊り、暴れる。演出に用いられた4千発の炎にも負けない熱いパフォーマンスで、9人は終始、観客を圧倒し続けた。それは曲名通り、彼らの魂からの叫びとして伝わり、呼応したファンの叫びがドームを大きく揺るがした。
デビュー曲「D.D.」で幕を開けた公演は、「KISSI N’ MY LIPS」「Grandeur」とシングルで畳み掛けるように走り出す。サードアルバム「i DO ME」の名を冠したツアーだが、その収録曲のみならず、8枚すべてのシングル、そして「Party! Party! Party!」「Lock on!」といったデビュー前の曲に、「君の彼氏になりたい。」「ナミダの海を越えて行け」など全35曲が、これでもかとばかりに、2時間40分に詰め込まれていた。
あまりの人気にチケットの抽選倍率が跳ね上がり、今回初めてライブに参加できるファンも少なくないことに配慮したであろう構成に、Snow Manがこの初ドームツアーに賭けた思いの強さが見えるようだ。
「Snow World」「あいことば」、向井康二と阿部亮平のユニット曲「Gotcha!」など、一緒に踊ったり声を出したりできる曲も目立った。その最たる例が、コロナ禍が明け「みんなが声出せる状況でやりたいよねって話だった」(佐久間大介)という紹介ラップを阿部がリバイズした「Nine Snow Flash」だろう。新たな歌詞からは各々がこの3年余りで多くの夢を叶えてきたことがわかるが、ドーム公演もまた、彼らが常に口にしてきた夢のひとつだった。