●保有し続けて、買ったときの金額から値上がりまたは値下がりしたらどうなる?
「値上がり、値下がりしても『非課税保有限度額のうち、いくらまで利用しているか』の金額に変わりはない」(金融庁、東証)
★1000万円分を買ったら、非課税保有限度額のうち「1000万円分、利用中。残り800万円分、買える」。その後、投資信託などの値段が3割下がっても「非課税保有限度額を700万円分、利用中」とはならず、「1000万円分、利用中」のまま変わらない。
●非課税保有限度額の最大1800万円を最速で使いたいなら?
「年360万円を投資すると5年で枠を使い切る計算になる」(金融庁、日本証券業協会)
●「成長投資枠は年240万円まで投資可。成長投資枠の非課税保有限度額は1800万円の内枠である1200万円まで。成長投資枠だけを使って個別株や投資信託に年240万円の投資すれば最短5年で枠を使い切る」で合っている?
「合っている」(金融庁、東証)
●新しいNISAでは「毎年最大の投資(つみたて投資枠120万円、成長投資枠240万円)」ができるよう、がんばるべき?
「ライフプランや自分のペースに合わせて投資していただきたい。買い付け期間に『締め切り』もなければ、保有期限もない。買いたいときに買い、売りたいときに売り、好きな期間で保有していただける制度になっている」(金融庁、日本証券業協会)
★ネット上では「最速で使い切るべき!」という意見が目立つが、無理は禁物。また、最速で使い切ることで必ずしも好結果が得られるわけではない。
「5年最速コース」がいいか「10年以上の長期で投資するコース」がいいかは、今後の相場動向により変わる。本誌の検証データを東証に確認してもらったが、切り取る期間によっては米国株でも5年投資より長期投資のほうが勝っているケースも散見された。先行きは誰にも読めないので、自分のお財布と相談しながら投資を。
●特定口座で保有中の金融商品を、非課税で新しいNISAに移せる「優遇チケット」のようなものが登場する見込みはある?
「新たに『長期・つみたて・分散』の投資をする人を応援する意味合いも強いため、すでに投資したものに関する優遇措置は現状、考えていない」(金融庁)
●新しいNISAで「値下がりした金融商品」を売却した場合、損益通算はできる?
「損益通算はできない。それは現行のNISAも同じ」(金融庁、日本証券業協会)
★NISAで売却により損失が出ても、他の金融商品の利益で相殺する「損益通算」はできない。利益には非課税というメリットがあるが、損失に対してのフォローはないことを知っておこう。
※「新しいNISAのQ&A」は全55個あり、本記事は「制度の正しい知識編」から抜粋・編集したものです。この他を「金融機関編」などに分けて掲載予定です
編集/綾小路麗香、伊藤忍