レンタル彼女がリアル彼女になる!?
レンタル彼女がリアル彼女になる!?
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「ねえ、バイトしない?」

 映画『サマーウォーズ』の主人公、小磯健二は、ヒロインの篠原夏希にこう言われ、長野県上田市にある彼女の実家に「バイト」として連れて行かれてしまう。そこで健二は、夏希から彼女の「婚約者のフリ」をしてくれと頼まれるところから物語は始まる。

 言ってしまえば、夏希は健二を婚約者としてレンタルしたことになるのだが、本当にこんなこと現実にあるのだろうか、とお思いの人もいるかもしれない。しかし、中国では帰郷時に結婚を催促する両親や親戚に「恋人」とウソをついて紹介するための「彼氏」や「彼女」をレンタルするサービスが広まっているという。まさに『サマーウォーズ』の出来事が現実に起こっているのだ。

 日本国内でも、一日だけの彼女や彼氏をレンタルできるサービスが複数存在する。東京都新宿区の「レンタル彼氏TOKYO」では、その名の通り彼氏になってくれる人を貸し出すサービスを行っている。1時間あたり5000円からという料金で、2時間から利用できる。このほか、新宿駅を起点とした出張料や、交通費、その他デート費用などは全て利用者持ちになる。例えば、このサービスを利用して『サマーウォーズ』のように東京駅で待ち合わせして長野県上田市まで往復した場合、出張料3000円+往復の新幹線代12300円+食事代+1時間あたり5000円の料金などがかかる。ただし、宿泊を伴うデートはできないため、日帰りになってしまうのだ。

 さすがに人をレンタルしてしまうと、軽く数万円の料金がかかってしまう。しかし、モノであれば実にさまざまな安価なレンタルサービスがある。

 東京都中央区にあるブランドバック取扱店「ORB」では、ブランドバックの貸し出しサービスを2007年から行っている。ルイ・ヴィトンやシャネルなど21ブランドの製品を取りそろえ、1週間から1カ月の間レンタルできる。月に2800円から利用可能で、結婚式やパーティーの時だけ借りる、という使い方も可能だ。こうしたハレの日に持って行けるバッグに困っている人にはうってつけのサービスだろう。

 着ていく服がない、とお困りの人にもうってつけのサービスがある。「ノイエジーク」(東京都中央区)では、「air Closet」という衣服の貸し出しサービスを行っている。月額6800円という料金さえ払えば、一度に三着までの衣服を借りることができる。しかも、服を自分で選ぶ必要はなく、担当するスタイリストが選んでくれるサービスまでついている。返却期限はなく、会員である限り借り続けることもできる。気に入った服を買い取ることも可能だ。

 今や、これまで考えられなかったようなものまでレンタルできてしまう時代になってきている。人にせよモノにせよ、これからもアッと言ってしまうようなレンタルサービスが登場するのかもしれない。

(ライター・河嶌太郎)

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