現役学生から公募したモデルが、受験時のエピソードや勉強法、キャンパスライフを明かす特別企画。今週は、神戸大学国際人間科学部から今春同大大学院に進んだ羽瀬彩乃さん(兵庫県立北摂三田高校卒)が、高3夏からの猛チャージについて語ってくれた。
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高校3年の8月に受けたセンター試験対策模試の結果を見て、羽瀬さんはいいようのないショックを受けた。夏前とは比べものにならない。あまりにも悪い成績だった。
「特に日本史がひどくて、31点しか取れなかったんです。文系なのに」
成績低下はある程度は予想していたが……。
4歳からバレエを続けている羽瀬さん。同級生が部活を引退し受験勉強に専念している夏も、レッスンに励んでいた。というのも7月末に、華やかなステージに出ることになっていたからだ。
受験生である自覚はあったが、どうしても立ちたい舞台だった。片道1時間をかけてレッスン会場に向かい、帰宅して深夜の3時ごろまで机に向かう日が続いた。
「自分では一生懸命やったつもりでしたが、勉強に専念していた子たちと1カ月、2カ月の間に、こんなにも如実に差がつくんだと……」
それまではいろいろな参考書に手を出すタイプだったが、時間がないと割り切り、各教科1冊に決めて徹底的に繰り返し勉強することに。ものすごい量の書き込みもしていった。暇さえあれば参考書を開く日々。
「参考書を見ると、自分が頑張ってきた軌跡が残っているといいますか。やがて『これだけやったんだから、私はきっと大丈夫だ』と思えるようになりました」
成績はV字回復。センター試験でも好成績を上げることができた。
しかし、2次試験を前にインフルエンザにかかってしまう。症状はおさまり受験はしたが、実力を発揮できず大阪大学を不合格に。
そのため後期試験で神戸大学を受けることにした。2次試験は小論文だけ。前期試験の結果が出る前から高校に行き、現代文の先生に小論文対策を相談した。