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マネジャーなら誰もが抱くであろう「部下が能動的に働いてくれない」という悩み。著書累計50万部超の人気ビジネス書作家・浅田すぐる氏はトヨタ出身。トヨタ時代に鍛えられたノウハウを、新著『あなたの「言語化」で部下が自ら動き出す 「紙1枚!」マネジメント』(朝日新聞出版)に込めている。紙1枚に「書き出す」ことを通じ部下をもつマネジャーが抱きがちな悩みを解消していく。なぜ浅田氏が「紙1枚」に可能性を見出したのか。その理由を、同著から一部を抜粋、再編集し、紹介する。
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特に日本的カルチャーを色濃く残した組織・環境では、知らず知らずのうちに「自分の意志よりも、自分以外の集団的な意志・空気・同調圧力」を優先しがちです。
したがって、「自分で考えろ」「当事者意識を発揮しろ」と頭ごなしに言ったところで、それだけでは暖簾に腕押し状態が続いていくだけとなってしまいます。
「社会的手抜き」や「意見・主張より世間・空気」といった受け身の状態を乗り越え、部下が能動的に働いてくれるようになるにはいったいどうすれば良いのか。
こうした悩みを一挙に解決できるキーワードをヒトコトで言語化してしまうと、結論は「目的のジブンゴト化」です。
■トヨタの強さの源泉「言語化力」
皆さんの会社では、理念や方針、ビジョン等が策定されているでしょうか。
それらは実際にどの程度、定着あるいは機能しているでしょうか。
私がサラリーマン時代の大半を過ごしたトヨタには、「トヨタフィロソフィー」といったものがあります。
一部を紹介すると、たとえばミッションの項目には「わたしたちは、幸せを量産する」、あるいは、ビジョンとして「可動性を社会の可能性に変える」といった言葉も掲げられています。
あなたの会社には、このように明文化されたものがあるでしょうか。
他にも、「基本理念」「トヨタウェイ」「トヨタグローバルビジョン」「トヨタ・ビジネス・プラクティス」、等々。さまざまなレイヤー・位置づけ・目的で、マネジャー・プレーヤー問わず全社員が働くうえで重視すべきことが言語化されています。