auの今春の新製品を発表する「au発表会 2015 Spring」が19日、都内で開かれた。「あたらしい自由。au」「えらべる自由 au」をテーマに、高齢者から子どもまで幅広い年代に向けた、8つの新機種の発表が行われた。
auが手掛けるデザインケータイ「INFOBAR A03」(京セラ製)は、手になじむ曲線的なフォルムが特徴。三越伊勢丹と共同で企画した商品で、2月中旬から販売を行う。赤を基調とした「NISHIKIGOI」、青を基調とした「POOL」、茶色を基調とした「MOCHA BROWN」、桜色を基調とした「SAKURA IRO」の4色で展開する。
アクオスケータイの新製品「AQUOS SERIE mini」(シャープ製)は、4.5インチのIGZOディスプレーを搭載。ディスプレーのフチを徹底的に削った「EDGEST」のデザインも踏襲しているので、小型ながら画面の大きさを確保している。シアン・マゼンタ・ホワイト・ブラックの4色で、1月下旬に発売する。
au初となるシニア向けスマートフォン「BASIO」(京セラ製)は、約5.0インチのフルHDディスプレーで、アイコンなど大きく見やすい専用のホーム画面を採用している。ディスプレーの下には、3つの物理ボタンを搭載し、電話の着信はボタンを押せば受けられるなど、タッチ操作に不慣れな高齢者にも配慮したデザインとなっている。色はゴールド・ピンク・ブルーの3つで、2月中旬に発売する。
見た目はガラケーだが、Android OSを搭載したケータイ「AQUOS K」(シャープ製)も発売される。この製品はスマホとガラケーの間の「ガラホ」と位置づけているもの。LTEの高速通信に対応しているほか、クアッドコアCPUも搭載し、見た目は折り畳み式の携帯電話だが、中身はスマートフォンというモデルだ。
また、10キーの上にある静電式センサーを利用して、ポインタをマウスのように動かして操作し、タッチパネルには対応していないのも特徴だ。基本料金はスマートフォンと同じだが、利用開始から4年間に限り、毎月の使用料金から1000円割引く「AQUOS K スタート割」を適応できる。色はレッド・ホワイト・ブラックの3色で、発売は2月下旬だ。
auでは、55歳以上でこの「BASIO」と「AQUOS K」を利用の人に、新たに「シニアプラン(V)」を提供する。これは0.7GBのデータ定額料金込みで、毎月の基本使用料が4280円で利用できるというもの。利用できるデータの上限が低いので、メールと電話しか使わない人向けのプランと言えるだろう。
一方で、子ども向けのスマートフォン「miraie」(京セラ製)も登場する。有害サイトから子どもを守るさまざまなフィルタリング機能を充実させており、利用時間からアプリや電話帳の登録までさまざまな制限をかけることができる。
メールやブラウザでの文字入力時には、例えば「うざい」といった不適切な言葉を入力すると、注意したり履歴に残したりする「あんしん文字入力」機能を搭載している。カラーはピンクソーダ・メテオブルー・シトラスホワイトの3種類。1月下旬から販売を開始する。
auは小学生以下の利用者に向けて「ジュニアスマートフォンプラン」を提供する。0.5GBのデータ定額料金込みで、毎月の基本使用料が3920円で利用できる。さらに、18カ月間利用すれば、機種変更の際に残りの分割支払金が無料になる特典がある。機種変更をしやすくすることで、通常のスマートフォンに切り替えやすくするのが狙いだ。
今回の発表では、子ども向けと高齢者向けのスマートフォンと、それぞれに応じた新料金プランを明らかにした。昨年末に発売した「Firefox Phone Fx0」がギーク(最新の機械や製品が好きな人たちのこと)向けの商品として位置づけたように、今後、多様なユーザーに応じた製品を展開していく方針だ。多くの年代の人にスマートフォンを普及させ、普及率8割を目指していく考えも明らかにしている。こうした「新しいものを選べる自由」が、今後どのようにユーザーを変えていくのかが注目のポイントになるだろう。