■東京都大田区 Yさま邸
Yさま邸は、東京の私鉄沿線駅から徒歩5分。東京のなかでも閑静な住宅街のなかにあり、渋谷や横浜などターミナル駅まで30分ほどというアクセスのよさだ。商店街も充実し、まさに都会の利便性と快適性を備えた絶好のロケーションに立地しているといっていい。
古くから住まいを構え、地縁を大切にしたいこともあり、Yさまご夫妻は建て替えの際、迷わず二世帯住宅を選択。同居しているのは、ご主人のお母さまと長男のご家族で、4世代がそれぞれの暮らしを大切にしながら、互いに心地よい交流を実現している。
1階がYさまご夫妻とお母さま、2階が長男ご家族の住まいだ。それぞれの世帯に「蔵」があり、収納力もたっぷり。世帯ごとのライフスタイルや生活時間帯に合わせ、間取りやテイストは異なっている。
1階のYさまご夫妻は、明るいチェリーの木目調の床、天井、建具に囲まれた和モダンスタイル。「お正月には、ここに息子や娘の家族も含め、総勢21名が集合します。気軽に人が集まり、いろいろなことができるようダイニングを広くして、リビングはあえてつくりませんでした」とご夫妻は微笑む。
ダイニング横には蔵があり、親族が集まった時に使うテーブルなどの出し入れも容易にできる。そして、その分天井が高く、光をたくさん採り込むことが可能だ。
蔵上のスペースがご夫妻の主室で、テレビやパソコンを楽しむスペースと寝室の2部屋が並ぶ。リビング側の障子窓を通して、階下の気配が伝わってくる。
ダイニングに隣接するお母さまの部屋には、100年ものの桐のタンスが置かれるなど、以前の住まいで使われていたモノが随所に活かされている。
一方、2階の長男ご家族の居住空間は、ホワイトを基調としたナチュラルスタイルだ。キッチン、ダイニング、リビングが一体となったオープンスタイルで、南面の大きな窓から注ぐ明るい陽射しがよく似合う。ダイニングに直結した子ども部屋は、西側に大きな窓を設け、爽やかで開放的な空間になっている。
「子どもたちが、必ずこのダイニングを通って自分の部屋へ行くようにしました。蔵のある分、隣家よりも高さがあるので、窓からの視界が開けているのも気に入っています」と長男ご夫妻。
「実は、子どもたちは長い時間を祖母の畳の部屋で過ごしているんですよ」と長男ご夫妻が語るように、玄関は異なっても内部は扉1枚で往来が可能な二世帯住宅。都市の喧噪をよそに、世代を超えて穏やかな暮らしがここにある。
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