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 暮らしに潤いを与えてくれるインドアグリーン。器選びや飾り方を工夫すれば、お部屋に涼しさを演出することができます。

■日本のインドアグリーンの歴史

 お部屋に小さなグリーンが一つあるだけで、安らぎを感じ、心を癒してくれます。日本では飛鳥時代に、草花を室内に飾る習慣が生まれ、平安期には中国から伝わった盆栽が貴族の間で広がり、やがて活け花の文化も庶民の暮らしに花や緑を飾る習慣となって定着していきました。このように日本人は室内に緑を上手に取り入れて、自然のもつ安らぎや涼感を暮らしに活かしてきたのです。

■「涼」を感じさせるグリーン

 では室内を涼しく感じさせるグリーンとはどのようなものでしょう。それには葉の形や色、ボリュームなどが関係しています。例えば、細い笹の葉を思わせるアレカヤシの種類は、窓辺に置くと微かな風にも葉を揺らし、涼しげな空気の流れを感じさせてくれます。また細い枝先に噴水のように葉を広げるドラセナも、室内に涼しさを伝えるグリーンのひとつです。明るい緑色の葉をもつパキラやポトスなど、見た目も爽やかで、光を優しく受けている様子は、木漏れ日の中にいるような心地よさを誘います。

■グリーンと器で「涼」を演出

 こうしたグリーンを、どのように飾ったらよいのでしょうか。

 広めのリビングには、バッサイアやアレカヤシなど、背が高く存在感のあるグリーンを置いてみましょう。窓辺に置くと、葉が夏の日差しを和らげ、木陰にいるような涼しさを感じさせてくれます。鉢選びも、グリーンを飾る場合の大切なポイントになります。小さめのグリーンでも、高さのある鉢カバーに収めると、作品を展示しているような雰囲気が生まれます。色は白や黒などの無彩色の鉢にあわせると涼しさが引き出され、シンプルでモダンな印象になります。リビングのテーブルにはガラス鉢に清楚なアイビーをあしらってみるのも涼しい演出です。

 例えばカヤツリグサやシラサギスゲなどをやや深さのある水鉢に植えて置いてみましょう。茎の先端に傘を広げたように細い葉を伸ばし、わずかな風にも揺れて心を和ませてくれます。玄関には、和の趣向をこらした盆栽風のグリーンを置いてみてはいかがでしょうか。小さなソテツを和風の陶器の鉢に合わせ、鉢土を苔でおおうと、涼やかな雰囲気が生まれます。キッチンには、ハイドロカルチャー(水耕栽培)をおすすめします。ハイドロカルチャーの魅力は管理のしやすさと器選びを自由に楽しめることです。小さな葉が可愛らしいアジアンタムをハイドロカルチャーにしてみると、ひんやりとした緑陰の空気を感じさせ、小さなオアシスをつくってくれるでしょう。ハイドロカルチャーは、水位計があれば鉢の中の水の量が分かりますので、管理が簡単です。

 このようにグリーンは生活に潤いと安らぎを与えてくれるインテリアです。この夏、お部屋にグリーンを取り入れて、涼しさの演出を楽しまれてはいかがでしょうか。

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