オスカー女優で歌手のバーブラ・ストライサンドが2017年1月18日、ドナルド・トランプ次期大統領を痛烈に批判するエッセイをアメリカのハフィントンポストに掲載した。
「Clueless, Reckless, Graceless, Mindless and Heartless: Our President Elect(無知で、無謀で、無礼で、無関心で、無情な私たちの次期大統領)」と題されたこのエッセイで彼女は、「彼は(大統領職の)重大さを理解しているのでしょうか?」とトランプ次期大統領に対する強い不信感と懸念を綴っている。
自分が賛成できない経済政策をトランプが掲げていることや、“何百万人もの人々を傷つける”可能性がある医療に対する財政支援のアプローチを懸念しているからだけではないと彼女は明確にしている。そして単なる民主党対共和党の問題でもないとし、「彼はこれまでに女性や移民や障害者や他の人々を侮辱したり堂々とバカにしているのです」と彼女は訴えた。
「私は、国を良くし守るために真摯に我が国のために仕えてきた経験豊富な政治家たちを、自分と意見が合わなくても大いに尊敬してきました。ですが、自らの振る舞いで私たち全員を危険に晒すような、人種差別的で排外的な性差別者を尊敬することなどできません」と彼女は憤った。
また彼女はトランプとロシアの関係や、大統領在職中も自らのビジネスから手を引かないとしている問題にも触れた。そしてトランプが自らの“アンチ”や“敵”に対して頻繁にツイートしていることについて、過去の大統領たちに象徴されるような寛大さや、国の最高職責にふさわしい厳粛さが足りないのではと指摘する。
「きっとトランプはこれからの4年間、文書や映像に記録されているにも関わらず自分が言ったことを否定し続けるでしょう。彼は嘘をつくでしょう。かつてないほど嘘をつき続けるでしょう。彼はヒラリー・クリントンを“邪悪で”、“不正直で”、“嘘つき”と呼びましたが、それは自らの特徴を投影していたのです」と彼女は述べた。
2017年1月20日に始まるトランプ大統領の任期中、選ばれた議員たちができる限りのことをし、アメリカで“表面上だけでも正義を”尽くしてくれることを願っていると彼女は綴る。そして、「私たちは気を緩めてはいけません。自分の地域の下院議員や上院議員に手紙を出しましょう。平等の権利、市民の権利、報道の自由、地球温暖化対策、銃規制条例、医療に関する権限のために戦っている団体に寄付しましょう。抗議しましょう。声を上げましょう。人を助けましょう。私たちは運命共同体であり、自由を守り、同胞を助ける権利と責任があるのです」と彼女はエッセイを締めくくった。
◎バーブラ・ストライサンドによるエッセイ全文(英語)
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