気象庁は11日、エルニーニョ監視速報を発表。エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態となっており、今後春にかけても平常の状態が続く可能性が高い見込みです。
10月の実況
気象庁が11日に発表したエルニーニョ監視速報によると、10月のエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差は+0.2℃で基準値に近い値でした。太平洋赤道域の海面水温は、西部で平年より高く、東部で平年並みでした。海洋表層の水温は中部で平年より高くなりました。太平洋赤道域の日付変更線付近の対流活動は平年並みで、中部の大気下層の東風(貿易風)も平年並みでした。このような海洋と大気の状態は、エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態となっていることを示しています。
今後の見通し
太平洋赤道域では、海洋表層の水温の平年からの隔たりが小さいため、東部の海面水温は今後しばらく平年並みで推移すると考えられます。エルニーニョ予測モデルも、今後春にかけてエルニーニョ監視海域の海面水温が基準値に近い値で推移すると予測しています。以上のことから、今後春にかけてエルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態が続く可能性が高い(60%)見込みです。
西太平洋熱帯域及びインド洋熱帯域の状況
10月の西太平洋熱帯域の海面水温は、基準値に近い値でした。今後冬にかけては基準値に近い値か基準値より低い値で、春は基準値に近い値か基準値より高い値で推移すると予測されます。10月のインド洋熱帯域の海面水温は、基準値より高い値でした。今後春にかけて基準値に近い値か基準値より高い値で推移すると予測されます。