お正月早々、素敵な初夢のような体験をした。私が書いたケータイ連ドラの撮影が行われたのである。
1話たった5分というビックリするほどの短さが、ケータイドラマの平均的長さ。4話、全20分のプチドラマを書いたのはもちろん初めてで、自分の脚本が実写化されるのも初めて(舞台はある)。お正月にふさわしく、なにもかも初づくしだった。
普通、ドラマの撮影時には、脚本家は同行しない。でも今回私は同行した。多くの人に、
「主演のイケメン俳優(井深克彦クン・ジュノンボーイファイナリスト)に会いたいからでしょ?」
とからかわれたが、それもあるけど、それだけではない。実は撮影現場のギャルソンカフェは、私がお願いして貸していただいた場所だった。お店はお正月休みだったので、私が留守を預かる形となったからである。
撮影光景を間近で見るのはこれまた初めてで、私が書いたときめきのセリフをイケメン俳優さんが読み上げていて、もう、くすぐったいような、晴れがましいような、口元がゆるみまくってしまっていた。
でももちろん、ただぼうっと光景を拝んでいたわけではない。必要に応じて、お店のテーブルの位置を動かしたり、撮影に使うコップやお皿を出したり、電話応対をしたりと、早朝6時から夜まで自分なりにお手伝いをしたつもりだ。撮影の休憩時間にイケメン俳優さんとツーショット写真を撮ることも忘れなかったけれど(笑)。
撮影場所のギャルソンカフェは、お店のご好意で無償で貸していただけた。私がオーディションの審査員のお手伝いをしていたこともあるけれど、お正月に場所を貸してくださるカフェはそうはないので本当にありがたかったし、信用していただけているのもうれしかった。
思えばこの脚本の仕事も、以前ケータイ小説を書いた際に知り合ったかたからのご紹介で、一緒にお茶を飲んであれこれ話して親しくなったのがきっかけだった。
うまく言えないけれど、いろいろなことがつながっている気がする。いろいろなことがネットで済む時代だけれど、リアルに対面した人との絆は、やはりすごく強い。
昨年交換した名刺は1000枚を軽く超えた。今年もネットだけに頼らずあちこち出歩こうと思う。