“ビートルズの第5のメンバー”としても知られたプロデューサー/編曲者のジョージ・マーティン(90歳)が死去したことが日本時間3月9日に判明した。
ジョージ・マーティンは音楽学校でクラシック音楽について学んだ後、1950年に英EMIに入社。傘下のパーロフォン・レコードでクラシックやノベルティ音楽の作品を手掛け、1962年よりザ・ビートルズと関わるようになる。ザ・ビートルズのプロデュースでは、メンバーが出す様々な(ときに荒唐無稽な)アイデアを、オーケストラや各種のエフェクトによる具体的な音楽表現に落としこむ部分で大きな役割を果たしたと言われる。「イエスタデイ」や「ア・デイ・イン・ライフ」など、現在でも広く知られるザ・ビートルズの名曲のオーケストラ・アレンジでも才能を発揮した。
ザ・ビートルズの解散後は、ポール・マッカートニー&ウィングスの表題曲を含む『007 死ぬのは奴らだ(Live and Let Die)』(1973年)の映画サントラや、同じくポールのソロ作『タッグ・オブ・ウォー』(1982年)などをプロデュース。また、ビートルズ関連以外にも、ジェフ・ベック、チープ・トリック、エラ・フィッツジェラルド、スタン・ゲッツ、ケニー・ロジャース、ピーター・ガブリエル、スティング、カーリー・サイモン、ケイト・ブッシュなど、錚々たるメンバーのプロデュースを手掛けた。
2006年には息子のジャイルス・マーティンとともに、シルク・ドゥ・ソレイユの公演サントラとして、ザ・ビートルズの楽曲のマスターテープやデモ・テープを使用したリミックス&コラージュ・アルバムである『ラヴ』を手掛ける。同作では、デモバージョンをベースにマーティンがオーケストラ編曲を手がけた「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」の新バージョンも話題となった。
また、マーティンは1997年には、ロビン・ウィリアムス&ボビー・マクファーリン、ヴァネッサ・メイ、ジェフ・ベック、フィル・コリンズ、セリーヌ・ディオンらが参加したビートルズのカバー・コンピレーション企画『イン・マイ・ライフ』をリリースしている。
今回の訃報を受け、リンゴ・スター、そしてショーン・レノンがそれぞれSNS上で追悼を示している。
God bless George Martin peace and love to Judy and his family love Ringo and Barbara George will be missed xxx
— #RingoStarr (@ringostarrmusic) 2016, 3月 9
Thank you for all your love and kindness George peace and love xx pic.twitter.com/um2hRFB7qF
— #RingoStarr (@ringostarrmusic) 2016, 3月 9
R.I.P. George Martin. I'm so gutted I don't have many words. Thinking of Judy and Giles and… https://t.co/3Nc8sCgRpN
— Sean Ono Lennon (@seanonolennon) 2016, 3月 9