子どもたちは毎日、重いランドセルを背負い学校から帰宅する。筆者の子どもも「頭が痛い。クラクラする」と訴える日が増えている。 

「マスクを外したほうがいい運動とは、なにも体育の授業やジョギング時だけではありません。外を歩くときも、自転車をこいでいるときも心拍数も体温も上がる立派な運動です」(三浦医師)

 暑さはこれからが本番。40度超えの日もまだ出るかもしれない。一方で、コロナ感染者が増えていることもあり、同調圧力はなかなか払拭されそうにもない。

 もし熱中症で具合が悪くなった家族や子どもを介抱する場合、医療機関を受診すべきか自宅で様子をみるべきか、よい判断方法があると三浦医師は言う。

「まず、意識がしっかりしていて自分の名前や現在いる場所などを相手に伝えられるか。次に、自分で水分が飲めるかどうかが重要。つい、弱っていると親や周囲は、手を出して水を飲ませようとしがちだが、自ら水を飲めるかどうかは判断材料となる重要なポイント」

 ペットボトルのふたを開けられる年齢であれば、ペットボトルを渡してみよう。自分でふたを開けて水を飲むことができれば、ひとまず安心だ。

「自分で開けられなかったり水を飲み込めずに口からこぼれてしまったりする状態であれば、医療機関を受診してください。誤嚥して肺に入ることもあるので、意識がもうろうとしていたら無理に飲ませないほうがいい」(三浦医師)

 とにもかくにも、猛暑の屋外でかたくなにマスクを装着する行為は、想像以上に危険だ。コロナ禍でも規律を守る日本人の生真面目さは美徳だが、まずはマスクを外して、熱中症から身を守ろう。(AERA dot.編集部・永井貴子)

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