「先生が暑さ指数計で測ったのはお昼。午前中の体育は外でマスクもつけたままやったから、『えー?』って思ったけど頭が……クラクラして気持ち悪くなった」(小4女児児童)
運動をする瞬間だけマスクを外せばいいわけではない。長時間に渡りマスクの装着を続けることによる弊害は、思ったより大きいようだ。
先の三浦医師は、マスクの装着を続けることで、「マスク頭痛」が起こりやすくなり、感染症などの病気なのか熱中症によるものなのか、区別がつきにくくなると懸念を示す。
マスク頭痛には、いくつか原因がある。
(1)マスクの装着が熱中症を引き起こすことで起こる頭痛
身体は平熱でもマスクの内側は、簡単に40度以上に上がってしまう。吐く息の温度が上がり口腔周辺の血量が増えることで、頭蓋骨内の血管が拡張して片頭痛につながる。こうした状態でマスクを装着したままジョギングなどの運動をすれば、身体は熱中症のような状態になりやすい。
(2)酸素不足による頭痛
マスク内で酸素が減り、増えた二酸化炭素が血管を拡張させて頭痛を引き起こすケースだ。ウイルスを遮断できる性能の良いマスクほど、片頭痛が起こりやすくなる。
(3)顔まわりの筋肉の緊張が引き起こす緊張型頭痛
マスクのひもで耳がひっぱられると、こめかみの側頭筋やあごの咬筋、肩や頭蓋骨につながる首の胸鎖乳突筋に強い負担がかかる。それが、強い首のコリを引き起こし、緊張型頭痛を引き起こしてしまうのだ。
(4)ストレスによる頭痛
息苦しいマスクをつけることによるストレスが、頭痛につながることもある。
「怖いのは、マスク頭痛と一緒くたになることで、身体が警告するサインに気づかず熱中症になってしまうことです」(三浦医師)
都内公立小学校の男性教員はこう話す。
「学校としては、ここにきて新型コロナの感染者が増えていることもあり、積極的に『マスクを外しなさい』とは、アナウンスしづらい。熱中症も怖いのですが、コロナも怖い」