今夜は地球の影に満月がすっぽり入る皆既月食です。1時間以上にわたって続く皆既月食が、始まりから終わりまで通してみることができ、その高さや時間などを考えても良い条件がそろっています。北海道ではオホーツク海側が観察に最も適しています。万全の寒さ対策をして観察してみましょう。

2012年6月4日の部分月食 撮影:日本気象協会北海道支社 持田浩
2012年6月4日の部分月食 撮影:日本気象協会北海道支社 持田浩
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皆既月食あれこれ

北海道で皆既月食が見られるのは2015年4月4日以来3年ぶりです。
今年は7月28日にも皆既月食が起こりますが、北海道では皆既月食になる前に沈んでしまいます。
さて月食を観察するのに特別な準備は必要ありません。変化の様子は肉眼でも十分楽しめます。
午後8時頃には南東の空のやや高い所、少し見上げるくらいの高さに満月が浮かんでいます。
月食の時間経過をまとめて見ました。
欠け始め     31日午後08時48分ごろ
皆既月食始まり     午後09時51分
皆既月食終わり     午後11時08分
欠け終わり     1日午前00時12分ごろ
月は左下から欠けはじめ、皆既月食は1時間以上にわたって続きます。
そして午後11時過ぎには左側から再び明るさを取り戻します。

月食の楽しみ方

まずは満月と異なる色を楽しみましょう。
月が地球の影に入るといっても、真っ暗になるわけではありません。
地球の縁から漏れた光が月を照らして10円玉のような色(赤胴色)になります。
また月の明るさが弱まるにつれて、明るさに隠れていた星々が見えるようになります。
下の図は皆既月食の頃の星空を表しています。
月の上側には一等星が二つ並んだ冬の星座の一つ「ふたご座」があり、
また、左側には代表的な春の星座、「しし座」があります。
月の形と明るさの違いによって、見える星の数の変化を楽しむのもよさそうです。

31日午後10時頃、皆既月食の頃の星空
31日午後10時頃、皆既月食の頃の星空

気になる夜の天気は

網走などオホーツク海側は綺麗な夜空が期待できます。
帯広や釧路など東部の太平洋側は雲が広がってきますが、皆既月食までは見られるでしょう。
一方、稚内や旭川など北部や、札幌、室蘭、函館など南西部では雲に覆われる可能性があります。
ただ月食は長い時間に渡って続きます。
時折外を眺めて、雲の切れ間からのぞく月に期待しましょう。
なお屋外で観察する際は、寒さの厳しい時期ですので万全な寒さ対策を心掛けて下さい。