小中学生の兄弟を持つ40代の父親。老後資金が不足している義父母に対し、妻との貯金から年間30万円も仕送りしており、不満が募っています。かつては定年を迎えた親を養うのは子どもの役目でしたが、現代はお互いに自立するべきなのでしょうか。「論語パパ」こと中国文献学者の山口謠司先生が、「論語」をはじめ中国の古典から孔子の格言を選んで現代の親の悩みに答える本連載。今回の父親へのアドバイスはいかに。
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【相談者: 小中学生の兄弟を持つ40代の父親】
小中学生の兄弟を持つ40代の父親です。私の悩みは、郊外の賃貸住宅で年金生活を送る義父母(70代後半)が、年金だけでは金銭的に厳しいので、娘である妻(大手企業勤務)の収入に頼っていることです。義父母は、娘の私立大学の学費や運転免許取得費、短期留学などにお金を工面したため貯金がスカスカになったのだそうで、妻は私たち夫婦の貯金から年間30万円も仕送りしています。腹立たしく感じるのは、義父母が「定年後は子どもに頼るのが当たり前」と考えており、感謝の気持ちが一切ない点です。
私たち夫婦は共働きでそれなりの収入を得ていますが、決して余裕があるわけではありません。将来息子たちに頼らずに済むように貯蓄を増やしたいし、息子たちの教育費用ももっと蓄えたい。義父母には病気・事故がない限り、自活してもらいたいのです。私は年長者を敬うことができない心の狭い人間なのでしょうか。
【論語パパが選んだ言葉は?】
・孔子曰(いわ)く「(中略)大道(たいどう)の行わるるや、天下を公(こう)と為(な)す。(中略)故に人独(ひと)り其(そ)の親を親とせず、独り其の子を子とせず、老は終(おわ)る所有り」(『孔子家語(けご)』礼運第三十二)
・子曰(い)わく「里は仁を美(よ)しと為す。択(えら)んで仁に処(お)らずば、焉(いずく)んぞ知(ち)なるを得ん」(『論語』里仁第四)
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